断りにくい上司の誘いをサラリとかわす受け答え5つ
上司の誘い



弁護士石井琢磨です。

上司からの飲みの誘いを断りたいのに、断れない。


予定があったり、
スケジュールがきつかったり、
何となく気が乗らなかったり、
するのに、ハッキリ断れず、渋々つきあって自己嫌悪に陥る人も多いでしょう。

そんな人は、断るためにウソの理由を考えたりしますが、今度は、そのウソに合わせた行動をとらなければならなくなって、何がなにやら。
めんどうな事態になります。

そんな断りにくい誘いをサラリとかわす受け答えを考えてみましょう。


1 「今回はパス」



元も子もない受け答えじゃないですか。

そう思われる方もいるでしょう。

そんなアナタはきっと洗脳されています。

「断ると悪いなあ」という罪悪感。

はい、これ、幻です。
気のせいです。

その罪悪感の正体を探ってみましょう。

「今日、つきあえよ」という誘い。
上司が誘ってくれた。

こっちも何とか応じなきゃ・・・

相手からのオファーに対して、何か返さなきゃ、という気持ちになること。

これを返報性の法則と呼びます。

『影響力の武器』という有名な本に書かれていますが、
人は何かをもらうと返さないとまずい
と無意識に思っちゃうわけです。

いらないものでも。
迷惑な誘いでも。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか




本の中では、ある宗教団体が、公共の場で、寄付をしてもらうために、先に花をプレゼントする手法が紹介されています。
いらない花でも受け取ってしまうことで、寄付をする人の割合が増えるのです。

この返報性の法則に苦しまないためには、オファーを受けたときに、その価値をもう一度見直すのが有効です。
客観視して、罪悪感を打ち消すのです。

幻の罪悪感に苦しむ必要はありません。

義務でもないことを断るのに、理由すらいらないのです。

今回はパス

これがスタートラインだと覚えておきましょう。


2 「ので」



断るのに理由はいらないとは言ってもねぇ・・・
やっぱり何か理由を言ったほうが無難だよね。

そう考える人のために、素敵な言葉があります。

ので

の二文字。

紹介した『影響力の武器』の中では、さまざまな社会実験が紹介されています。


コピー機


その中から、図書館のコピー機の行列に割り込ませてもらえるかの実験を紹介しましょう。

何と言って頼めば割り込ませてくれるかの実験です。

1 「先にコピーとらせてくれませんか?」 60%
2 「先にコピーとらせてくれませんか?急いでいるので」 94%
3 「先にコピーとらせてくれませんか?コピーをとらなければならないので」 93%

パーセントの数字は、順番を譲ってくれた人の割合です。

「先にコピーとらせてくれませんか?コピーをとらなければならないので」
何でしょう、この理由。
当たり前です。
並んでいる人だって、コピーをとらなければならない。
同じはずです。
全く論理的ではありません。


でも、譲ってくれる。
「急いでいる」という論理的な理由と同じくらいの割合の人が譲ってくれる。

理由があれば人は納得してくれやすいのですが、大事なのはその理由の中身よりも、「ので」の二文字という結論です。

この実験からは、

とりあえず、何か理由を言っておけ。

という結論が導かれます。

みなさん、ぜひ、
「今日は飲みには行けません。飲み会には行けないので。」
と断ってみてください。
日本でも通じるかどうか、実験してみましょう。


なぜ、「ので」の二文字が有効なのでしょうか。



それは、人間の脳がラクをしたがるからです。

「ので」と聞こえた瞬間、「ああ、何か理由を言ってるな、じゃあ仕方がないか」と理由の中身まで分析せずに、余計なエネルギーを使わずに判断してしまうのです。

ここで、押さえておきたい視点を一つ。

重要度と緊急度のマトリクスです。

時間術の本や自己啓発書にはよく出てくる図です。

緊急度と重要度のマトリクス


私たちは、緊急度が高い×重要度が低い仕事に時間を取られすぎています。
そのために、緊急度が低い×重要度が高い仕事に時間を割けなくなってしまい、仕事の効率が悪くなるという内容。

経営者は目の前の雑務に追われるだけではなく、長期の経営ビジョンを考えたりしないといけません。
仕事をする際にも、迫る仕事だけではなく、デスクやPCの整理をした方が長期的には仕事の効率が上がることも多いでしょう。

このようなマトリクスの中で、「ので」という二文字だけで簡単に説得できるのは、重要でも緊急でもない、どうでも良い部類のことが多いです。

時間管理のマトリクス



コピーの順番であれば「ので」でも譲れるかもしれませんが、沈没する船から脱出する順番では、命がかかっており重要かつ緊急ですから「脱出しないといけないので」では譲ってくれないでしょう。

この単純な二文字で受け答えをする場合には、その誘いが、マトリクスの中で、どこに位置づけられるのかを意識しましょう。

どうでも良さそうな飲み会ならば、「ので」の二文字を使っておけばきっと大丈夫。
重要な飲みならば、この二文字ではおそらく通用しないのです。



3 「~なら行けます」



相手が2人でいつもの居酒屋で割り勘の飲み会を前提にしているときに、

「おごってくれるなら行きますよ」
「焼き肉なら行きます」
「Aさんも一緒でいいですか?」

相手の前提を否定して断るものの、他の条件を提示するという方法です。

断る際には、代わりの提案である代替案を出すと良いと言われます。

なぜかと言うと、
相手の提案-断る →場から消える
こちらの代替案 →場に残る
という関係になります。

断ると同時に代替案を出すことで、相手の提案が場から消えます。
場に残るのは、こちらから出した代替案のみ。

これを相手が断った場合、相手は「自分が断った」かの錯覚に陥るのです。

そう、返報性の法則です。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか



大した代替案でなくても、相手に幻の罪悪感を与えることになるので、最初の提案を断ったことがうやむやになります。
そのため、代替案を出しておくと、単純に断って終わり、というより、相手との関係性が悪化しにくいのです。

「行きたくない」という気持ちが強い場合には、この代替案を難しいものにすれば良いのです。

「高級焼き肉おごってくれるなら」、のような代替案でも良いでしょう。

もちろん、「ので」の二文字をつけるとさらに効果はアップ。

「今日は肉の日なので」
「タンパク質が足りていないので」


4 「スケジュールがこんな感じなんですよ」



「行きたくない」だけではなく、行きたい気持ちもあるけど仕事の忙しさなどで「行けない」状況のこともあるでしょう。
そんなときは、情報を伝えて、真面目に断るのも無難な方法です。

情報開示です。

「仕事のスケジュールがこんな感じなんですよ」
「明日が期限の報告書を仕上げたいので」

情報開示は仕事の話に限られません。

「明日、マラソンなので」
「今日は妻から早く帰ってこいと言われてまして」

情報開示で気をつけたいのは、再び
緊急度と重要度のマトリクスの視点です。

緊急度と重要度のマトリクス



誘ってきた相手が、「飲み」をどこにポジショニングしているか。
それに対して、あなたが回答した「行けない理由」が、相手の脳内でどこにポジショニングされるか
その位置関係が大事です。

上司の頭の中で、「そりゃあ、飲みより大事だな」と思ってもらう必要があるのです。
飲みより緊急な状況。
飲みより重要な状況。
これを理解してもらうことが大事なのです。

妻の出産
であれば、普通は納得してもらえるでしょう。

子供が風邪
あたりだと、上司の価値観でポジションが変わりそうです。


情報開示が不十分だと、
「飲んでも、マラソンくらい走れるだろう」
と思われてしまいます。

普段から、いかに自分がマラソンに情熱を注いでいるか、そのための体調管理をしているか、など伝えておく必要があるのです。
それが伝わっていれば、相手の脳内マトリクスが自分と同じものになり、納得してもらえやすくなるのです。

情報開示に加えて、緊急度や重要度をしっかり伝え、上司の脳内マトリクスの中で、飲み会よりも優位なポジションを勝ち取るべきなのです。



5 「今日は荒れるけどいいですか?」



3番で解説した「~なら行けます」は、断ったうえで代替案を出すという手法でした。

今回の受け答えは、行けるけど●●ですよ、と行くことに同意しつつ条件をつけるものです。
相手の提案を受け入れつつ、両立する条件を出す手法です。

「今日は機嫌悪いですよ」
「良いですけど、22時までですよ」

相手が、その条件に同意できなければ、相手が断ったかのように感じるのは、代替案と同じです。

相手が嫌がりそうな条件をつけることで、実質的に断るというものです。


たとえば、知人から金を貸して欲しいと頼まれ、断りたいとしましょう。

金貸して


その場合、貸すことを前提に
「金が必要な理由を洗いざらい聞くが良いか?」
と応じます。

貸せる額だったとしても、貸すのがベストな解決とは限りませんから、その理由を一から話してもらいます。
大抵の人は、金を借りる理由は言いたくないため、相手が理由を言うのを断ってきます。

実質的にはこちらが断っているのに、相手は自分で断ったかのように感じるのです。



もっと知りたい。



上司からの誘いのかわし方を5つお伝えしましたが、もっと詳しく知りたい方、他のシーンでの断り方を知りたい方は、『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』をチェックしてみてください。

上で説明したいくつかの答え方は、本の中でも紹介しています。

幻の罪悪感から解放されるはずです。

めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法
めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法






関連記事
2015/01/30(Fri) | めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
コメント
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://sagamigawa.blog73.fc2.com/tb.php/746-42b29558
前のページ ホームに戻る  次のページ