振り込め詐欺犯が「プリキュア37人」と言われて電話を切った理由
弁護士石井琢磨です。

振り込め詐欺の電話がかかってきた際に、母親が
「プリキュア37人言えるか」
と聞いたら、犯人が慌てて切った、と話題です。

警視庁犯罪抑止対策本部がリツイートし、「オタクは無駄なものではなく役に立つ(こともある)」とコメントしていますね。

警視庁



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プリキュアって何十人もいるんですね。


親子のあいだで、他人に答えられない合図を決めておくことは有効です。


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犯人が電話を切った理由



ただ、勘違いしてはいけません

このような事件があったとして、犯人は、おそらく、

プリキュア37人の名前がわからなかったから慌てて切ったのではありません。

疑われたから切ったのでしょう。



本当は、犯人もプリキュアファンで、37人の名前を30秒で言えたかもしれません。

でも、母親が、疑いの態度を示したから電話を切ったのです。


確率論による効率的な動き



振り込め詐欺グループは確率論で動いています。
架空請求のハガキを大量に送るのと同じで、たくさんアクセスして、一定数、だませる人が見つかれば良いのです。

だませる可能性が低い人はさっさと切って、次に行く。

それが効率的な活動です。

「うちの子なら、プリキュアを知っているはずだ」と疑っている相手をだませる可能性は低いです。
あえて、そこに時間をかけるより、もっとラクな相手を探すという行動なのです。


大事なのは存在よりも発動



合図を決めておくのは有効ですが、むしろ重要なのは、親がその合図を発動することです。

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ちゃんと「プリキュア何人?」と聞けないと意味がありません。

合図を発動して、疑いの態度を示すことが振り込め詐欺の予防になるのです。


しかし、このような合図活動は広まらず、振り込め詐欺の被害は平成25年には過去最悪となっています。

私たちの文化にも原因があります。


信じる美学



合図を作るということは、疑うことが前提です。

しかし、私たちは、他人を疑うことを良しとしません。

むしろ、信じることが美しいと感じます。

純粋、ひたむきに何かを信じる人間に美しさを感じる文化を持っています。

だから、相手を疑うことに罪悪感を抱いてしまいます。


婚約相手には、疑う人間だと思われたくない。
だから、「いろいろプレゼントしてくれるけど、借金とかしてないよね?」と聞けない。

子供を疑う親だと思われたくない。
だから、「私の通帳から勝手に使ってないよね?」と聞けないのです。

ひょっとしたら、疑う人間だと思われるくらいなら、「信じて裏切られた人間」のほうが望ましいと考えちゃっているのかもしれません。


振り込め詐欺予防の合図を作り、発動させるには、この信じる美学文化を乗り越える必要があります。

そのためには、二段階あります。


第一段階:疑われても文句を言わない文化



「お前、オレのこと疑ってるのかよ」
を禁句とします。

「借金とかしてないよね?」と疑われたら、

「なんて疑い深い女性なのだ。この疑い深さは、結婚生活できっと夫婦の財産を守ってくれる」

というように、マイナス評価を打ち消さなければなりません


第二段階:疑うことが美学



マイナス評価を打ち消すだけでなく、疑うことがプラスに働く文化です。

疑われたら、「オレのこと疑うなんて、可愛いヤツ」と感じちゃう文化。

疑われることは愛。


この段階までいけば、きっとan・anで「疑いが美人をつくる!」という特集がされるでしょう。


まとめ



まったく消えない詐欺グループにこれ以上お金を持って行かれないためには、このような文化的な対応が必要です。

今日から、そんな空気づくりをしようではありませんか。



疑うポイントについては、こちらの本に書いています。

プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
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2014/01/10(Fri) | news | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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