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『溶ける』のチェックシステム
弁護士石井琢磨です。

大王製紙の元会長、井川意高氏の『溶ける』を読んでいました。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録



カジノに総額100億円以上も注ぎこんだという。

多くが子会社からの借入ということで、特別背任罪による実刑判決が確定しています。


検察官は、これだけ大金が動いているのだから政治家への裏献金などがあると考えていたところ、

ぜんぶカジノ

だったので、拍子抜けしたそうです。

この本では、カジノから抜け出せない心理や、話題になっていたという芸能人との付き合い等も描かれています。


私が注目したのは、これだけの大金をどうして動かせたのか。

社長や会長であっても、個人と法人は別。
当然、チェック機能があったはずなのです。

資金の動きについては、名目はともかく、動き自体は隠していなかったそう。
つまり、子会社から井川氏への資金移動は、子会社の会計上にも明記されていたのです。

大きな金額なので、監査法人も気にしたはずです。

監査法人は


「経理担当者にそのことについて尋ねると、担当者は「井川の判断で事業活動の運転資金に充てている」という旨の返答をしたらしい。」
「その説明に納得し、さらに厳しく追及することはなかった。」



監査役


「大王製紙には常勤監査役が2名おり、そのほかに弁護士2名、元国家公務員1名による非常勤の社外監査役を置いている。監査役会が開かれたときにも、不正貸付についてのチェック機能は働かなかった。」



取締役会


「取締役会参加者の中には資金調達の事実を知っている者もいたのだが、その事実を言挙げすることはなかった。」




チェックの意味なし。


全部のチェック機関がスルーされ、お金はカジノに行っちゃったのです。

チェックのためのシステムがあっても、運用を失敗すると、こんな悲劇が生まれてしまいます。


『弁護士が分析する企業不祥事の原因と対応策』という本でも、この事件が取り上げられています。

弁護士が分析する企業不祥事の原因と対応策
弁護士が分析する企業不祥事の原因と対応策




事件の原因は、創業家一族のグループ支配からくる、絶対服従という企業風土だとしています。

それゆえに、取締役や監査役等の監視機能が働かなかったと。

オーナー企業だったからこそ、井川氏がガンガン経営して、業績を拡大できた側面もあります。
でも、過信するとカジノに持って行かれてしまう。

ガンガン行っているときこそ、チェックシステムを作ったり、それをしっかり運用する1%の疑いの目を持つことが大事なのです。

上場企業ですら、こんなんですから、中小企業の場合は、なおさら大事ですよ。


熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
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弁護士石井琢磨twitter


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2013/12/21(Sat) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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