わが子を犯罪者にしないために知っておきたい6つのこと
弁護士石井琢磨です。

『反省させると犯罪者になります』
反省させると犯罪者になります (新潮新書)



刑事事件では、被告人に反省を求めます。
しかし、このような反省は、彼の今後の人生に悪影響を与えるものかもしれません。

反省とは心を抑圧するもの。
抑圧し続けると、反発し、また犯罪者になってしまうリスクが出るのです。

これは、犯罪者だけのことではありません。

子育てや教育にも当てはまること。

著者が、多くの犯罪者を調査したところ、


幼少期に自分の欲求を出すことを許されず、それどころか反省させられていたケースが少なくなかったのです。


とのことです。

なんと幼少期に原因があり!?


わが子を犯罪者にしないために、子育てで気をつけるべきポイントをピックアップしてみました。


1 子どもっぽさを受け止める

親は、子の成長を喜ぶため、子どもが大人らしく振る舞うと喜びます。
しかし、子どもに対して、無理に大人の振る舞いを求めることは、子どもにとってストレスになります。

「小学生になったのに・・・」
「もう中学生なんだから」

このような言葉を使うのは、危険。


ほとんどの受刑者は、子どもの頃に「子どもっぽさ」を出せていません。そもそも「子どもっぽさ」を出せるには条件があるのです。それは、「子どもっぽさ」を受け止めてくれる「大人の存在」です。(177ページ)




2 子どもが問題を起こしたら、チャンスと考える

子どもが万引きのような非行に及んだら?
いじめの加害者になったら?

親としては、子どもを叱り、反省させてしまうでしょう。
学校でも反省文を書かせるかもしれません。

しかし、これは子どもの感情を抑圧し、問題を先送りする危険な行為。
原因を追及せずに、「良い反省文が書けたな。がんばれよ」と励ますのは逆効果。

問題を起こすということは、そこに原因があるはず。
早いうちに対処しておくべきです。そのチャンスです。


問題行動が起きたとき、ひとまず叱ることは控え、本人が問題を起こすことに至った理由に耳を傾けることです。そこには必ず、寂しさやストレスといった否定的感情があります。自分の心のなかにたまっていた否定的感情がすべて出ることによって、初めて自分が起こした問題行動の過ちに気づけるのです。そこから本当の意味での「反省」が始まるのです。(64ページ)

「今回、問題を起こしたことは、君がいい方向に向かうためのチャンスとしたい」と伝え、「今回、なぜこのようなことが起きたのか、いっしょに考えよう」と問題行動を起こした背景を子どもといっしょに考える姿勢でいることを伝えます。(185ページ)




3 本音を語る子どもに正論を言わない

子どもの本音を聞く際に、正論をぶつけると、本音にたどりつけなくなります。
まず、どんな欲求があって、それが満たされなかったのかを確認すべきです。反論すべきタイミングではありません。
反省させるより、不満を語らせるのが先。


子どもが本音を話しているときに、絶対に言ってはいけないことがあります。正論です。「お前の考えは間違っている」「未成年なのにタバコを吸うことは許されない。身体にも悪い」や「このままだと、いい学校に行けなくなる」などといった説諭です。大人の言っていることは間違っていません。間違っていないからこそ、子どもは何も言い返せなくなるのです。(187ページ)

不満が出ることで、心のなかが整理されていきます。(192ページ)





4 一つの価値観を強制しない

社会で良いと思われている価値観にも裏があります。
その価値観を絶対視して子どもに押しつけると、思わぬリスクがあります。


「我慢できること」「1人で頑張ること」「弱音を吐かないこと」「人に迷惑をかけないこと」といった価値観は、りっぱなことのように思われますが、見方を変えると、「人とつながること」を阻害する要因にもなります。(154ページ)

自分のなかに、正しいと思って刷り込まれた価値観が多ければ多いほど、他者に対して「許せない部分」が増えていきます。そうすると他者との間で良い人間関係が築けないどころか、いじめにまで発展していく場合があるのです。その最悪の結果が、いじめによる犯罪なのです。(158ページ)




5 両親は仲良くする

夫婦ゲンカが多かったり、罵り合う、暴力。
そんな家庭では、子どもは、「自分が大人にならねば」と無理をすることになります。
その反動がどこかで出る。
たしかに犯罪者の過去を探ると、こういう話がよく出てきます。



両親の価値観に多少偏りがあったとしても、仲が良ければ大丈夫です。(178ページ)



ただ、親は弱音を吐いても良いのです。親が自分の感情を抑えすぎていると、それを見た子どもは親のマネをしてしまいます。


親が子どもの前では常に「親として、しっかりしないといけない」と思っていることも、後に子どもが問題を起こす原因になります。たとえば、「親なんだから、子どもの前では弱音を吐いてはいけない」と思い込んでいると、子どもは弱音を吐けない人間になるかもしれません。(182ページ)




6 ありがとう、うれしい

人間関係が良いなかで、子どもが育てば、子ども自身も良い人間関係を築きやすくなります。

だからこそ、家庭、教育現場でも、この2つの言葉は意識して使うようにしたい。


人間関係を良くするために使いたい言葉は、「ありがとう」と「うれしい」の2つです。(196ページ)






じつは、この本を読んだとき、内容について半信半疑でした。

しかし、中学教師をしている友人から

「うまく指導できたときは、この本に書いてあることを知らず知らずにできていて、うまく指導できなかったときは、この本に書いてある視点が抜けていた時だった気がします。」

と言われました。


人間の問題行動に関わる仕事をしている人、そして、問題行動をたぶん必ず起こす「子ども」という存在に毎日触れている人は、知っておいたほうが良い内容でしょう。

反省させると犯罪者になります (新潮新書)
反省させると犯罪者になります (新潮新書)岡本 茂樹

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上記ポイントの1つ 「一つの価値観を強制しない」という点では、
『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』にも記載があります。

「自分の拠り所とする正義を一つのものに固定してしまうと、それが崩れたときに一緒に自分も崩れてしまう危険があります。複数の正義を持つことで、自分の感情が壊れないように保険をかけておくのです。」

価値観=正義をパーセンテージでとらえるというお話です。

こちらも併せて読んでみてくださいね。



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2013/08/04(Sun) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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