土産ギライの上司に望み通りのお土産を買ってきてもらう交渉戦術
弁護士石井琢磨です。

私は、お土産という制度自体が好きではないのですが、先日、つい事務所のスタッフにお土産を買って帰ってしまいました。

しかも小田原土産です。
小田原土産2





小田原って、厚木で働く私たちにとっては、ホームの裁判所がある場所です。
週に何度も行く日常的な場所なわけです。


なぜ、そんなところで、お土産を買うはめになったのか。



ある日、私が外出先から戻ると、デスクに、どら焼きが置かれていました。



小田原土産1



「小田原土産」という付箋が貼ってあります。

いや、小田原って、私、しょっちゅう行ってるんですが。


つい、ツッコミを入れてしまいました。

「なに、この小田原土産って!?」

スタッフたちはニヤリと笑い、答えてくれました。

田中先生のお土産ですよ



現在、うちの事務所の弁護士は
石井
田中
伏木
の3名です。


田中弁護士も、頻繁に小田原の裁判所には行っています。

私は、罠とも知らずに、さらに追究してしまいます。



「なんで、田中さんが、小田原でわざわざ土産を?」


遠くで田中弁護士は苦笑しています。

小田原にある、ここのお店のバターどら焼きって美味しいよねーって、みんなで話してたんですよ。
 でも、私たち、小田原に行く用事ってないよねーって。
 そうしたら、田中先生が買って来てくれたんですよ!


スタッフは、目を潤ませながら熱く語ってくれます。

「へ、へぇ、やるねー、田中さん」

「ええ、まあ・・・」


そんな会話を終え、仕事に戻ろうとした私の背中に向かって、スタッフがボソッと言いました。

あ、でも、私は、このお店の栗まんじゅうが好きなんですけどねぇ

こ、これは・・・

背筋に冷たいものが走りますが、もはやスルーできない。


「そ、それって、次は、栗まんじゅうを買って来いってこと?」


えー、そんなこと言ってないですよぉ


3人の弁護士のスケジュール表を見ると、次に小田原に行くのは、見事に私でした。


こうして、ふだんはお土産を買わない私も、日常的に行く小田原で栗まんじゅうを買って帰ることになったのです。

スタッフは、表面的には何も要求していないにも関わらず、栗まんじゅうをゲットしたのです。


彼女たちの交渉戦術はなかなか良いものでしたので、分析してみましょう。



<分析レポート>


まず彼女たちが最初に攻めたのは田中弁護士。

うちの事務所でも女性客からの受けが一番良い弁護士である。

たぶん、女性に優しいのだろう。

複数のスタッフからの希望であると言われた田中弁護士は、見事に動く。


戦術1 動かしやすいところから実績を作る


次に、田中弁護士からゲットしたお土産を、石井のデスクに置く。
あえて「小田原土産」と目に付きやすい形で付箋を貼る。
ふせん


さりげなく、どら焼きが置いてあったら、石井は「誰かのお客さんからもらったものかな」と何も言わずに食べる。
しかし、石井はツッコミ体質である。
「小田原土産」という付箋を目立つように貼ることで、間違いなく反応する。


戦術2 相手の特性に合わせて反応を誘う



思惑どおりに反応した石井に、田中弁護士の優しさをアピール。
他の弁護士との比較である。
本来比較対象にないものでも、並べられると、比較してしまうものである。
一般的にも、上司は部下と比較されるとプレッシャーを感じることが多いだろう。

田中は買ったのに、石井は買ってくれない。

そんなプレッシャーを感じる。


戦術3 他人の実績と比較させて、動かざるを得ない状況に追い込む



恐ろしいのは、彼女たちは、一切要求をしていないことだ。
買って来てください」と言われたら、「自分で行けば?」と私が反応することは目に見えている。
あえて要求しないことで、望みを実現する、高等戦略だ。


戦術4 あからさまな要求はしない



栗まんじゅうを買うという意思決定をした際、私は悔しさよりも頼もしさを感じていた。
法律事務所のスタッフなるもの、交渉力があったほうが望ましい。
彼女たちも、ここまでの交渉力を身につけたか、と。

今後、私たち弁護士の交渉を大いにサポートしてくれるに違いない。

そうであれば、栗まんじゅうの一箱など安いものである。


戦術5 意思決定を正当化させる


私は、彼女たちの戦術にはまり、栗まんじゅうを買って帰った。

もちろん、彼女たちの笑顔を見たいという気持ちはあるが、一番の理由は別にある。

私が小田原から帰り、女性スタッフに栗まんじゅうを渡すと、大喜びである。

その中で、唯一、引きつった表情を浮かべた人物がいる。



3人目の弁護士、伏木である。

うちの事務所では、基本的にオチを担当している。
飲み会でも、いろいろといじられるキャラである。

「なんなんですか!この流れは!?」

慌てる伏木。

「つぎは、キミの番だな」と、伏木の肩を叩く私。

ネタ体質の私としては、このシーンを求めて、栗まんじゅうを買っていた気がする。

そう、スタッフから
このお店の栗まんじゅうが好きなんですけどねぇ
と言われた2秒後には、ここまでのブログ記事が脳内でできてしまったのである。

これをネタとして使わない手はない!
もう引き返せない。そう考えてしまったのだ。


戦術6 ネタ体質につけ込む



そして、今後・・・

戦術1の「動かしやすいところから実績を作る」が繰り返されると、
「みんな、こうしている」という状況が作られる。

自分だけが違う行動には出にくい
ものである。


戦術7 「みんな、こうしている」という状況をつくり、最後の1人を追いつめる



おそらく、ここまで彼女たちは考えていたのだろう。

もはや運命から逃れられなくなった3人目の弁護士が、今後、どのような展開を見せてくれるのか楽しみである。


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2013/05/25(Sat) | 交渉術 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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