ウソをついて誘拐罪
弁護士石井琢磨です。

先日、警官が警察手帳を見せて
「援助交際のことで話が聞きたい」と言い、
17歳の少女をラブホテルのロビーに連れ込んだことで、
わいせつ目的誘拐の疑いで逮捕されたという報道がされました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012111902000114.html


「誘拐」と聞くと、無理やり車に連れ込んだり、ピストルを突きつけて連れて行くというイメージを持つ人が多いです。

しかし、それだけではありません。

相手をだましたり誘惑して連れ去ることも「誘拐」になります。

少年マンガで、「キミのお父さんがあぶない。すぐ来てくれ」などと子供をだまして連れ去るシーンを思い出します。
あれは間違いなく誘拐罪でしょう?


じつは、法的には暴行や脅迫的な連れ去りは、誘拐ではなく「略取」という言葉を使います。

誘拐とは「欺岡」か「誘惑」を手段とするものなのです。
だましたりすることですね。

だます=「欺罔」とは、虚偽の事実で相手方を錯誤に陥れること
「誘惑」とは、だますほどではないが、甘言をもって相手方を動かし、その判断の適正を誤らせることをいうとするのが多数説。


相手が小学生だったり知的障害を持っていると、かなり広い範囲でこれらの行為が認められてしまいます。

たとえば、横浜地裁平成23年9月5日判決では、
知的障害のある女子に対して「一緒に遊ぼう」とホテルに連れ込んだことで、誘惑によるわいせつ目的誘拐罪の成立を認めています。

弁護側は、「遊ぼう」と手を出して誘ったところ、被害者が手を握り返してきたことから、被害者の承諾があったと争っていますが、認められていません。

被害者がどんな人かによって、誘拐になるかどうか変わってきます。

ときには、かなり広い範囲の行為が誘拐になる可能性があります。


このような誘拐罪の現状からすると、冒頭の警察手帳を見せたケースで誘拐になるのも仕方ないでしょう。
本物の警察手帳を見せられたら、かなりのことを信じてしまうものでしょう。

こんな事件が多発したら、任意同行は全く機能しなくなります。

「ちょっと話を聞きたい」と警察手帳を見せられても、

「いや、それ本物か?」
「いや、本物だとして、あなたがこの事件を捜査する権限があるのか?」

こんなやりとりをしていたら、社会が機能しなくなるでしょう。


権限を持っている人は、ウソをついて誘ったりしないようにご注意ください。

厳しい罪が待ってますから。




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弁護士石井琢磨twitter

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2012/11/22(Thu) | 刑事事件 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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