名目的取締役の賠償責任
弁護士石井琢磨です。

名目的取締役という言葉があります。
会社の取締役として登記されているものの、実質的には活動していない、名目だけ取締役をしているというケースです。

「知り合いから頼まれて」
「親から頼まれて」

などという理由で名目だけ取締役になっていた、という人は結構います。

ときどき相談を受けます。

「形だけ取締役になっていたのを思い出したのですが、まずいですか?」


会社が誰かに損害を与えた場合、名目的取締役でも責任を負わされるリスクがあります。

東京地裁平成24年1月16日判決(消費者法ニュース91号)では、
会社が未公開株商法という違法行為をしていたケースで、
名目的取締役に損害賠償責任を認めています。

この判決では、「取締役に就任しながら、会社登記すらも確認しないという重大な過失により代表取締役の業務執行を監視する義務」を怠ったことから、名目的取締役であっても、損害賠償責任を認めています。

名目だけ、であっても、代表取締役を監視する義務があるのです。

たいていの場合、「頼まれて」名目だけ取締役になった場合、その相手を監視できるような立場にないでしょう。

会社が暴走して損害賠償責任を負うリスクを回避するためには
・名目的取締役になること自体を断る
・なった場合はなるべく早く辞任
する必要があります。

未公開株商法など、詐欺の現場では、会社や代表者から賠償を受けることが難しくなるケースが増えています。
そのため、被害回復のために、取締役や関係者など周囲の人物に対しても賠償請求をするようになっています。

今後は、賠償リスクは増えていくでしょう。

責任追及されないように、気をつけてくださいね。


ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

弁護士石井琢磨twitter

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2012/08/07(Tue) | 消費者問題 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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