ノルマの泣き言7 残業代と裁量労働制
残業代



弁護士石井琢磨です。

もう少しだけ、ノルマについてお伝えします。
前回まで、ノルマ未達成によるマイナス面、給料減額、買い取り、解雇、怒られるなどの法的問題をお伝えしてきました。

今回はノルマを達成していても、問題になる点です。


今回の泣き言 「ノルマで働きまくっているのに、残業代が出ない!


厳しいノルマと一緒に問題になるのが、残業代です。

ノルマが厳しければ、多くの人は労働時間を増やして達成しようとします。残業時間も増える。

使用者が短期的な利益を目標にしている場合、残業代は抑えたいと考えるでしょう。
ノルマを課している理由が利益を上げることにあれば、売上が上がっても人件費というコストが上がっては効果が弱まります。


使用者側に向けて書かれた書籍のなかでは、残業代を回避するための方法が紹介されています。

そのなかの一つに、裁量労働制の採用があります。

一部の専門職では、仕事のやりかたや時間配分を労働者の裁量にまかせる必要があり、使用者が細かく指示するのに適していません。そのため、決められたルールの下で、残業時間を一定時間にみなすことができます。

この裁量労働制の適用範囲は少しずつ広がっています。

研究者、医師、デザイナー、記事・テレビ・ラジオの取材や編集のような仕事が対象になります。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/index.html


このような制度があると、どうなると思いますか?

本当は適用されない業務にも、この制度を使おうとする会社が出てくるのです。


裁量労働制なのか?が争われる裁判のなかで、ノルマが取り上げられた事例があります。
システムエンジニアの仕事について、裁量労働制だとして残業代を払っていなかったケースです。

SEノルマ事件(京都地裁平成23年10月31日判決)では、労働者の仕事がシステムの設計といっても一部のみであって裁量が広く認められる性質のものではないことのほか、「タイトな納期を設定していたこと」や、一部の業務に「未達が生じるほどのノルマを課していた」ことから、裁量労働制の適用を否定し、残業代を支払うよう命じています。

裁判官の言葉 「裁量、かなりないよね

この裁判では、管理監督者だから残業代は払わないという主張もされていましたが、これも否定されています。

いわゆる名ばかり管理職として大きく報道された問題です。


厳しいノルマが課せられているのに、裁量労働制など残業代がカットされているという、ノルマのジレンマに陥ってしまっている人は、その制度が本当に適用されるのか、チェックしてみてください。



「いいものを作ろうと集中していると、時間がいつの間にか過ぎていく」旨のプロ発言をしていた『SPA!』の編集者さんから夜の1時にメールが来ていて、驚きました。


SPA!



ネット上ではFujisanなどから買えるようです。



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2012/05/12(Sat) | ノルマの泣き言 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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弁護士石井琢磨です。もう少しだけ、ノルマについてお伝えします。前回まで、ノルマ未達成によるマイナス面、給料減額、買い取り、解雇、怒られるなどの法的問題をお伝えしてきました。今回はノルマを達成していても、問題になる点です。今回の泣き言 「ノルマで働きまく... まとめwoネタ速neo【2012/05/12 16:44】
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