ノルマの泣き言3 強制買い取り
ノルマと買い取り


弁護士石井琢磨です。

連続ノルマ特集3回目。

今回の泣き言
「ノルマが達成できず、買い取れと言われた」

よく聞く悩みです。
『SPA!』の特集でも、痩身ベルトの買取問題がありましたね。


過去2回にわたり、ノルマ未達成時に給料が減るという不利益を扱ってきました。
1 懲戒処分による減給
2 出来高払い

今回は、同じ不利益でも買い取り問題

一人あたりの販売台数をノルマとして課せられ、達成できない場合には買い取りを求められる。
年賀状、お中元、クリスマスケーキ。


アルバイトですら求められることがありますが、このような買い取りに応じなければならないのでしょうか?


法的には、これらの商品を買い取る義務はありません。

買い取りの問題は、
仕事をする、給料を払う、という労働契約とは別に
売買契約
の問題です。
法的には別契約の問題です。

売買契約は、当事者間の合意で成立します。

ノルマが達成しないなら買い取れ、という話は
「この商品を買って下さい」
という売買契約の申込。お願いにすぎません。

これを承諾するか拒絶するか、法的には自由です。

もし承諾したなら、売買契約が成立しますので、代金を払う必要があります。



買い取りは別契約ですので、買い取りを拒絶した結果、給料から代金を引かれた、というのは違法です。


従業員として大事なのは、ノルマ未達成による買い取りを求められても断ること。
買い取りに関しては、そもそも課せられたノルマ自体が不合理なものも多いです。


買い取りを拒絶したからといって、それを理由に給料を減らすなど不利益な扱いをすることは許されません。


行き過ぎた買い取りノルマは、それ自体違法とされる可能性があります。

呉服店おばあちゃん買いすぎ事件(大阪地裁平成20年4月23日判決)は、ノルマという言い方ではありませんが、売上目標があった呉服店について、従業員のおばあちゃんが何年にもわたり合計1000万円以上の呉服を購入し続けたという事案で、購入については従業員の意思によるものなので売買契約だと認めるものの、そのうちの一部は公序良俗違反として無効になると判断しました。
合意があっても、買い取りさせすぎは違法

本当に行き過ぎた買い取り要求の場合には、参考になる裁判例です。

超訳 裁判官の言葉 「さすがに買わせすぎ


ノルマ未達成による買い取りに苦しむ方は、これらの点を意識しておきましょう。


また、『SPA!』を読むと、自分よりも悲惨なノルマの存在を知り、慰められるかもしれません。

SPA!



ネット上ではFujisanなどから買えるようです。



ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

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2012/05/10(Thu) | ノルマの泣き言 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
コメント
--形あるものなら⁉︎--

保険のノルマ、形はなく、掛金は毎年続きます、これって?
by: 団体職員 * 2013/11/23 13:02 * URL [ 編集] | page top↑
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