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弁護士石井琢磨です。
私は年間500冊以上の本を読んでいますが、もちろん全てを理解できているわけではありません。
読み終わった後、「うん、何を言っているかわからなかった、ということがわかった」と自分を納得させて終わらせる本が何冊かあります。
その中の一冊が、名著と呼ばれる『失敗の本質』
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

誰かに勧められて読み、読み終えたことだけしか覚えていない本です。
敗戦という失敗を、日本軍の組織という点から分析した本だそうです。
その本に、「超」入門版が出されました。
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

超、とつくだけあって、非常にわかりやすい。
それだけではない。使える内容になっています。
日本軍と米軍の戦略、組織づくりの違いを学び、現代に活かせる内容です。
「戦略」はビジネスだけのものではありません。
裁判にも、試験勉強にも、皿洗いにも。何らかの効果を出したいときに、必要なものです。
物事を進める前に、本書の「戦略」の捉え方は頭に入れておきたいものです。
本書では、失敗の本質として23の項目を取りあげています。3つ紹介しましょう。
02 「指標」こそが勝敗を決める
「国家の国力や生産補給力で勝敗が決まる」という構想があったのに、日本軍は「どこかの戦場で大勝利すれば勝敗が決まる」
と考えてしまった。
指標とは勝負ポイントみたいなものですね。
何が結果につながる勝負ポイントなのか、これを勘違いしちゃって物事を進める失敗。
裁判をしていると、結果につながらない細かな事実まで徹底的に争おうとする方がいます。
その結果、重要ポイントの対応が弱くなる。
裁判で有利な結果を求めることが目的であれば、重要なポイントに労力を使った方が良いわけです。
勝負ポイントを見極める力こそが勝利を呼ぶのです。
03 「体験的学習」では勝った理由はわからない
歴史オンチの私は、本書で、大東亜戦争の流れを知りました。
日本軍は優勢だったのに、変化に対応できず、最終的に敗北。
当初、日本軍が優勢だったのは、体験的学習によるものだそう。
体験的学習とは何か?
経験を積み重ねる中で偶然に発見して学ぶことだそうです。
つまり、日本軍が優勢だったのは、戦略によるものではなく、経験の積み重ねの中で偶然たどり着いたもの。
これだと再現性がありません。一時的な勝利に過ぎないのです。
「成功要因を把握できないと、長期的には必ず敗北する」
たまたまうまく行ったものを自分の実力と勘違いしてしまう失敗。
色々な所で当てはまりそうですね。
たまたま良い判決をもらえた
たまたま被害金の回収ができた
たまたま司法試験に受かった
・・・
そんなんで調子に乗っていてはいかんのです。
向き合うのに勇気がいる法則ですが、これが真実でしょう。
うまく行ったことはしっかり分析し再現できるようにしましょう。
これを続けることで、真の勝利にたどり着けるはず。
20 居心地の良さが、問題解決能力を破壊する
本書では、居心地ばかりがいい組織が生き残れるか疑問とし、批判を受ける機会の重要性を説いています。
物事をうまく進めるためには客観的なフィードバックが必要です。
ときに厳しいフィードバックがあってこそ、現実に向き合えるのです。
今の体重、今の学力、今の借金額・・・
客観的な数字や第三者のフィードバックは重要です。
私自身、裁判戦略を考えるときや、運用上ギリギリの問題にチャレンジする際にも、他の弁護士の感触を探ることがあります。
ぬるま湯を避け、厳しい環境に身を置いてこそ勝利をつかめるのです。
過去の日本がした最大の失敗を活かすためにも、ぜひ読んでみてください。
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