従業員引き抜きの損害賠償額
弁護士石井琢磨です。

上場企業の役員による不正のニュースが報道されたからなのか、最近、会社役員の不正について問い合わせを受けることが増えてきました。

取締役は、会社に対して善管注意義務や忠実義務を負っています。
これらの義務は、法律上は抽象的な書き方しかされていません。

たとえば忠実義務は以下の規定。
会社法355条 「取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。」

そのため、実際にどのような行為がNGなのか、事例を見ていき、取締役の人としては違反しないよう、会社としては違反させないよう注意しないといけません。

義務に反する行為をしてしまった場合、損害賠償の責任まで生じることもあります。


ありがちな事例として、取締役が退任後に別会社を立ち上げ、以前の会社から従業員を引き抜くような行為。

「引き抜き」という事実を認定するのは結構大変なのですが、ここがクリアできると損害賠償責任に進みます。

裁判例のなかには、引き抜きを認めたうえで、新しい従業員の募集広告費用、機会喪失損害のほか営業損害4000万円を認めた例があります(東京高裁平成16年6月24日判決)。
この例では、営業損害として主張された額(約2億8000万)のうち、どの範囲が引き抜きによって生じたものか不明であるとしながら、諸般の事情からの推定としてざっくり4000万円と認定しています。」


ビジネスを加速させると行き過ぎた行為に及んでしまうことがあります。
ときどきふり返ることも大事です。

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2012/01/23(Mon) | 民事訴訟 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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