自炊議論
弁護士石井琢磨です。

先日、書籍の自炊についてエントリーを書きました。

自炊代行業者の裁判

これを書いているときに考えたのが、著作権者が保護される仕組みがあれば、自炊されることやスキャン代行業者に文句は出ないのでは?というもの。
たとえば、スキャンしたら、情報が全て消える紙でできた本だったらどうでしょう?
電子データ化した後の裁断された本は無価値になり、流通していったり、さらなる第三者に電子データ化されるリスクはなくなります。

しかし、昨日、ダビング10より前の1度だけしか移動できない地デジデータをHDDからDVDに移そうとして失敗した私は、スキャンに失敗してデータが消えたら大変なことだと実感しました。
スキャン10
くらいの紙ができるといいですね。
だんだんインクが薄くなっていくとか。


先日のエントリーで「法律論として、本の所有権が持ち主にある以上、本を裁断することは当然に認められる」と書きました。
同じことを書いたマンガ家・佐藤秀峰さんのブログが、もしドラの岩崎夏海さんから、コメントされています。
http://blogos.com/article/27749/?axis=b:57

岩崎さんによると
「本は、購入した人の所有物ではありません。」
だそう。

どういう法律論だ!?と思って続きを読むと

「そもそも、太陽とか土とか水でできた紙を使ってできた本を、数百円払ったくらいで「所有」しているという考え方がおこがましい。」
「本でも何でも、一個人の完全な所有物となるものなんて、この世にはありません。「物」は、言うならばこの世界そのものの「所有物」であり、人間にとってはむしろ「借り物」という方が近いです。」

という超法律的なお話でした。

さすが200万部の著者。
この罠に、私も含めてたくさんの人がかかったことでしょう。


行き過ぎた所有欲を戒める際に、「物は所有できるものではない。世界からのレンタルだ」と言われることがあります。これと似たような発想ですね。

もしドラは、世界からどのように扱うことを許された本なのか気になります。

私は2冊買って、1冊は自炊、1冊は事務所の棚に置いてあります。
こういう人が100万人いると、それで200万部になりますが、1冊を裁断したことで、世界から所有権侵害として訴えられるリスクある行為だったかもしれません。




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2011/12/26(Mon) | 雑談 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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