食中毒事件における過失の認定
弁護士石井琢磨です。

以前に食中毒と業務上過失致死の裁判例についてブログを書いたところ、問い合わせを受けたので補充しておきます。


まず、前提として、

実務においては、「過失の認定は難しい」といわれている


のです。
『過失の認定』(東京法令)より


過失犯の犯罪事実の摘示では、


「どのような注意義務が要求されるかという法的判断の基礎となる行為当時の具体的事情を的確にとらえて簡潔に摘示しなければならない。これがなくては、注意義務の内容を確定することができない。」


とされます。『犯罪事実記載の実務』より
犯罪事実記載の実務刑法犯 5訂版



過失は、注意義務があって、これに違反したことを責められるものです。そのためには、注意義務の前提になる事情を明らかにしないといけません。

食中毒事件で過失責任を問う場合には、食中毒の原因となった菌の特定や汚染経路がどうだったのかを示して、被告人が注意していれば避けられたと認定してもらう必要があります。

これらの特定のために時間がかかることも多いです。

仙台のサルモネラ事件では、発生が昭和43年、最初の地裁判決の事件番号が45年についていますから、起訴まで2年程度の時間がかかっています。
大阪地方裁判所昭和50年2月28日判決でも同様に2年程度の時間がかかっています。




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2011/10/26(Wed) | 刑事事件 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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