法テラスからの「公判期日等の審理時間を情報提供」FAX
弁護士の石井です。

先日、法テラスから
「公判期日等の審理時間を情報提供してもらうことになりました」
というFAXが来ました。

法テラスからのfax





現在、刑事事件で国選弁護人として活動する際には、法テラスという機関のシステムに従わないといけません。
国選弁護人には

1 裁判前の被疑者国選
2 起訴された後の被告人国選

の2種類があります。

裁判になる前の被疑者国選では、被疑者との面会の日時を報告しなければなりませんし、
裁判になった後の被告人国選では、裁判が開かれた時間まで報告する必要があります。


法テラスへの報告





期日ごとに何分間、立ち会ったかを報告しないといけないのです。

被疑者弁護における国選弁護人の報酬は、被疑者との面会回数によって決まります。

以前に面会回数の報告の際に、過大請求をした弁護士がいたことから問題にされ、警察で複写式の申し込み用紙を準備するなどシステムが変わりました。

実際には過大請求した件数よりも、過少請求だった件数の方が多かったとのこと。
つまり、全体としては、報酬を多くもらおうとしたというより、いつ面会したか、しっかり記録しておけない弁護士が多い傾向にあることがわかりました。
「金が欲しい」というより「面倒くさい」という傾向。


今回は、被疑者弁護ではなく、裁判になった後の被告人国選。

私は認識していなかったのですが、ここでも、裁判に何分間立ち会ったかにより、報酬が微妙に変わるそうです。
そのため、現実の立ち会い時間よりも長い時間を不正に申告する弁護士がいないかチェックするために、裁判所から情報提供することになったそうです。

弁護士の申告は信用できないという前提に立つなら、第三者からの情報提供がされることは仕方がないかもしれません。

問題は、裁判所からも情報提供を受けるが、弁護士も自己申告せよ、という点が維持されるというシステム。

法テラスは、弁護士と裁判所の両方から情報提供を受けることになります。
なんたるムダ
全体としてやることを増やすだけのシステム変更です。

この点をとらえて、弁護士の中には、いざというときに弁護士を陥れることができるシステムだと言う人もいます。
実際に裁判が開かれた時間が30分、裁判所からの報告が30分、弁護士が90分などと申告したら、多分報酬も違うのでしょう。
そうすると、過大請求したことになり、詐欺で立件もできてしまいます。

ここまで極端な差は別にして、法廷の時間なんて分単位で記録していないのが実状です。
数分の誤差など生じてしまうでしょう。
これを詐欺だと言われたらたまらない。

今回のシステムで、恐怖を感じた弁護士は、国選弁護の登録から脱退するかもしれません。
被疑者国選が拡大した時期には、私たちの支部でも、国選弁護の引き受け手が足りないのではないか、と集会なんて開いて会議していましたが、弁護士が増えて、いまは不足感ゼロな気がします。
これを機に、やめてしまう弁護士が出てもおかしくない。

私も今回のシステム変更で国選弁護の登録を辞めるか悩みましたが、刑事弁護から離れてしまうのも、私選弁護の依頼があったときに対応力が弱まるので、もうちょっとだけ続けようと思います(亀仙人風に)。


ムダなシステム作りに労力を費やしている機関に文句を言っても仕方がないので、
いかに正確な記録をつけるか、客観性を持った記録をつける習慣をつける方法を考えています。

法廷の出入り時にツイッターでつぶやきましょうか。

もし、法テラスから「石井先生、裁判所のメモと1分違いますよ」と指摘されたら、
法廷を出た後のiPhoneの起動時間だと説明すれば大丈夫でしょうか。



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2011/09/13(Tue) | 刑事事件 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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