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残虐と残忍のあいだ
弁護士の石井です。

弁護士の仕事は、ほとんどが言葉によっておこなわれます。

弁護士が言葉を構成しておこなう主張では、第一に論理が重要になります。
法律というルールがあって、その適用方法にもルールがあります。
裁判官が認めやすい論理構成を呈示しなければなりません。

ここができていない主張は論外です。


論理がしっかりできていることを前提にすると、さらに気を使いたいのが、言葉の持つ語感です。

同じ意味の言葉なのに、人に与える影響が若干違う言葉があります。
どちらを選ぶと、どういう効果につながるのか。


弁護士の仕事は、書面作成の占める割合が意外に多いです。そのため、すべての書面について、一語一語の語感までチェックすることはなかなか難しいです。
ただ、裁判の流れをみて、勝負どころでは、書面上の語感まで気を使います。
もちろん、交渉など口頭での仕事も同じです。


最近、『語感トレーニング』という語感について学べる本を読みました。

語感トレーニング――日本語のセンスをみがく55題 (岩波新書)
語感トレーニング――日本語のセンスをみがく55題 (岩波新書)




語感の影響について、たとえば、次のような説明があります。

「残虐」も「残酷」も「残忍」も似たような意味だが、「残虐」「残酷」は行動の結果のむごさに重点があり、「残忍」はむごい仕打ちを平気でする人間の無慈悲な心に重点があるような感じが強い。


刑事事件で、検察官の冒頭陳述や論告を聞いていると

そこまで言うか

と感じるほど、被告人のことを悪く印象づける言葉が並び立てられます。

判決でもこれが引用されます。


判例検索ソフトで、これらの言葉で検索してみたら、一番多くヒットしたのは「残虐」でした。


残虐 1296
ex.犯行態様は,執拗,残虐,卑劣である。

残忍 779
ex.殺害態様も,浴槽の水中に沈めて溺死させるという残忍なものである。
ex.確定的殺意に基づく冷酷で残忍な犯行態様である。

残酷489
ex.強い殺意に基づく,非情で残酷な犯行である。


検察官や裁判官が語感まで意識して使っているかは分かりませんが、刑事事件では、行動の結果を重視しているとも言えますかね。



『語感トレーニング』では、さらに

「違法」、「不法」の違い

「しらばくれる」と「しらを切る」の違い

など、言葉の力を上げる情報がたくさん詰まっています。


語感の力を身につけて、まだまだ上を目指していきます。



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2011/06/02(Thu) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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