「売れる可能性があるから広告出しませんか」という勧誘

遠方の猫山という山に山林を持っていた小林さん(仮名)。この山林を売りたいとずっと思っていました。



そんなときに、ある業者から連絡が入りました。



小林さん、あの猫山の山林持ってますよね。うちで売りに出しませんか?



「え?売れるんですか?」



あの猫山の近くまで、道路ができてるんですよ。あの山林にも影響が出ますよー。近くには家も建ち始めています



「そうなの?知らなかった。で、猫山の山林は売れているんですか?」



ぼちぼちね



「じゃあ、売りに出そうかな」



任せて下さい。でね、売るには先に測量しなきゃいけないのよ。あとインターネットで広告出すから、申込書書いてね



というわけで、小林さんは、

山林の測量をするという契約

山林を売りに出す広告の契約

という2つの契約をしました。



ところが、この山林は、市街化調整区域内、砂防法の適用、給排水設備が整備されていない、などの事情により、市場で売却することは困難であったという話。



こんな感じの事例で、小林さんは、消費者契約法により、2つの契約を取り消すと主張し、これが認められたという裁判例(名古屋地方裁判所平成21年12月22日判決、消費者法ニュース83号)があります。





このような勧誘で、測量や広告の契約をさせることが、原野商法の二次被害で問題になったことがあります。

もともと価値のない原野等を買わされた被害者。

数年後に、別の業者から、「あの原野売れるよ」などと言われ、測量したり、売りに出したり、管理してもらうなどの費用を払ったけど、売れなかったという問題。二度目の悪質商法です。

騙された人は、もう一度騙されやすい

なぜかというと、一つは、騙されやすいという性格。もう一つは、騙された人は、騙された問題について冷静さを欠いていて、損を取り戻そうとするから。

騙されて買った原野が売れるなら損が取り戻せる、と思いこんでしまい、自分に都合よく情報を集めてしまう。

このような二次被害の相談は、今でもたまにあります。





今回の裁判例は、このような二次被害の場面でも使えそうな消費者契約法についての一つの判断をしています。



消費者契約法では、契約の重要なことについて、事実と違うことを言った場合には、その契約をなかったことにする(取り消す)ことができる、と書かれています。



じゃあ、契約の重要なことって何よ?

というのが、色んな裁判で問題になっています。



重要かどうかって曖昧ですね。



法律上は、

「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。

 一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容 二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件



と書いてありますが、やっぱり曖昧。



結局、ケースバイケースの部分もあるのです。





そんななかで、今回の裁判例は、測量や土地を売るための広告契約をするにあたって、その土地がそもそも「売れる可能性があるの?」という点に関する事実は、「用途その他の内容」だから重要ですよ

と判断したものです。



事案としては、2つの契約とも動機として錯誤があるから無効だとも判断しています。



原野商法二次被害の場面で使えそうな論理です。





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2010/05/20(Thu) | 消費者問題 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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