かぶたろう
「かぶたろう」日本おさぎ話全集より





むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは、相模川にアユ釣りに行きました。



おじいさんが釣りをしていると、川上からどんぶらこどんぶらこと、大きなカブが流れてきました。

おじいさんは、カブを家に持ち帰り、おばあさんと食べることにしました。

おじいさんがカブを包丁でカブを切ろうとしたところ、カブは大きく2つに割れ、1人のスーツを着た若い男性が現れました。



おじいさんたちは、彼を「かぶたろう」と名付け、一緒に暮らすことにしました。





そんなある日、おじいさんの家に電話がかかってきました。



はじめまして。私、猿山と申します。私は、株式会社鬼ヶ島という会社の未公開株式を探して、色々な方に電話をしています。もし、お持ちでしたら、一株100万キビで売っていただけませんか?



「いや、なんですか、それ?私は持っていませんよ」



失礼しました。では、他を当たってみます





また別の電話。



はじめまして。私、犬川と申します。このあたりで、株式会社鬼ヶ島の株式を持っている方をご存知ではありませんか。どうしても手に入れたいのです。

もし、お持ちでしたら、一株150万キビで買うのですが




「私は持っていませんよ、だいたいどこで手に入るものなのですか?」



未公開株なので、上場している株とは違って一般には売られていないんですよ。では、他を当たってみます





さらに他の電話。



はじめまして。私、雉丘と申します。株式会社鬼ヶ島の株式をお持ちではありませんか?もし、お持ちでしたら、一株200万キビで売っていただけませんか?



「いや、私は持っていないですよ。いったい何でそんなに欲しいのですか?」



ここだけの話、株式会社鬼ヶ島の株は、いまは未公開株ですが、近々上場するという話がありましてね。上場したら、400万キビ以上の値段で売れるのは間違いないんですよ。

もし手に入れることがあったら、私まで連絡ください






おじいさんは、未公開株の話を立て続けに聞いて興奮しました。



「おばあさん、鬼ヶ島の株を持っている人を知らないか。高い値段で売れるらしいぞ」



残念ながら知らないですわ





話を聞いていた、かぶたろうが割り込みました。



おじいさん。株式会社鬼ヶ島の株なら、うちの会社を通じて手に入りますよ。拾ってくれた恩もありますから、一株50万キビくらいでなら入手できます



「50万キビ。さっきの彼らに売れば最低でも倍になる計算・・・」



おじいさん、鬼ヶ島は、上場するという話を聞いています。

 ここまで来て、上場されない会社はごくわずかです。

 上場されれば、最低でも購入価格の倍以上になりますよ。

 一年後に確実に当たる宝くじを買うようなものです




「よし、買おう。日本の年金制度はあてにならんと思って、老後の資金として貯めていたお金がある。それで10株買おう」



では、私が手続しに鬼ヶ島に行ってきます





その後、おじいさんの元には、500万キビと引き換えに購入した鬼ヶ島の未公開株10株が届いたので、売ろうとしましたが、誰からも買ってもらえませんでした

鬼ヶ島に連絡しても、上場する予定は全くないとのこと。

猿山、犬川、雉丘はもちろん、かぶたろうに電話をしても連絡はとれなくなってしまいました。



おじいさんの家に

今、未公開株詐欺事件が増えているんですよ。私たちはボランティアで被害者を救済している団体です。50万キビ払ってもらえれば、あなたがお持ちの10株を500万キビで買い取りますよ」という二次的詐欺の魔の手が忍び寄るのはまた別の話。







未公開株詐欺。

公開する予定もないのに、近々公開するなどと勧誘して紙切れ同然の未公開株を売却する商法です。

最近、株式上場で利益を得たという話を聞く機会は減った気がするのですが、こちらの被害は増えてしまっている様子。

4月9日の日経新聞でも、2009年度には被害が増えてしまっているとの報道がされていました。



証券会社か発行会社でなければ、未公開株の売却はできません。

また、発行会社自体が詐欺に関与しているケースもありますので注意しなければなりません。事案によって、販売会社だけではなく、発行会社も損害賠償責任を負うと認めた裁判例も出ています。



日経の記事にも書かれていましたが、未公開株詐欺の場合には、株券などの何らかの書類が渡され、かつ、「一定期間経過後に上場する」などと言われているため、騙された人がしばらく様子を見ることで、被害の発覚が遅れることが多いです。

相談に来た方が何件もの被害に遭ってしまっていることもよく見られます。

発覚が遅くなればなるほど、販売会社は消えている可能性が高くなります。

お金がなくなる。損害賠償請求をしても現実にお金が戻ってくる可能性が低くなりますので、周りの人が未公開株を買ったという話を聞いたら、早めに情報提供してあげてください。



この未公開株詐欺には、劇場型や二次被害も出てきているそうです。

この情報は昨年の時点で国民生活センターのサイトに掲載されています。

金融庁でも注意を呼びかけています。



劇場型というのは、振り込め詐欺のように、何人かで役割分担してチームで騙すもの。

二次被害は、かつて原野商法などでも問題になったもので、騙された人の被害回復を装いさらに騙すというもの。



騙す側は、他の詐欺行為の手法を応用し、騙される側はそれに気づかないという相変わらずの構成です。







※「上場されない会社はごくわずか」、「上場されれば、最低でも購入価格の倍以上になる」、「一年後に確実に当たる宝くじを買うようなものだ」という勧誘文言は、未公開株事件の裁判例で認定された勧誘文言です(東京地方裁判所平成19年11月30日判決)。







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2010/04/11(Sun) | 日本おさぎ話 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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