「ほとんどの人には、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他の人にそう見られたいという欲求がある。」
『影響力の武器』より
![影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか](http://images-jp.amazon.com/images/P/4414304164.09.TZZZZZZZ.jpg)
一貫性の法則とよばれるものです。
この法則は、日常生活のなかだけではなく、多くの法律問題の場面でも当てはまります。
例えば、貸したお金を返してもらいたいという場面。
「この前貸した5万円返してよ」
「悪い、今手持ちがなくて、来週まで待ってくれない?」
「うーん、じゃあ来週」
翌週
「この前貸した5万、返してよ」
「すまん、来月の給料が入ったら返すから、それまで待ってくれない?」
「えー、今週って話だったよな?」
「なんとか頼むよ。この前は待ってくれたじゃないか。な?」
「うーん、仕方ないか」(この前、1週間待ったんだし、今回も待ってみるか)
これが繰り返されて何年も返ってこないということがあります。
1週間待つという過去の行動と一貫した行動をとりたいという法則があるため、徐々に返済期間が延びていくという例です。
振り込め詐欺
「母さん、俺だよ」
「あら、タクモ。この前、携帯の番号が変わったっていう連絡を受けた以来ね。どうしたの?」
「実は、いま、仕事をほかにしててね。副業ってやつ?
家庭用日焼けマシーンを売る商売をしてるんだ。もうすごい売れちゃってね。母さんにも、親孝行できると思うんだ。でも、少しだけ仕入の資金が足りなくって。
来週になれば、前に売れた代金が入るんだけど、それまで待てないんだ。なんとか100万円貸してくれないかな?来週には返すから。」
「タクモったら、商才あるのね。わかった、どこに振り込めばいい?」
「ありがとう。来週には返す。ここに頼むよ。父さんには、儲かったお金でマッサージ機を買ってビックリさせたいから、この件は2人だけの秘密にしておいてくれない?」
「わかったわ。」
後日
「母さん、昨日はありがとう。おかげで日焼けマシーン売れまくりだよ。来週には利息つけて返すよ」
「タクモ、いいわよ、利息なんて」
「ところで、本当に頼みにくくて、母さん以外にはお願いできないんだけど、つなぎの資金が足りなくて、5日間だけ、もう200万円ほど貸してくれないかな?来週にはまとめて返せるから」
「200万!?うーん、定期でも解約しないと、厳しいわね」
「なんとか頼むよ。昨日も助けてくれたじゃないか」
「タクモの頼みなら仕方ないわね。何とかするわ」
振り込め詐欺では、同じ相手から複数回振り込ませることが常套手段として行なわれています。
職業”振り込め詐欺” (ディスカヴァー携書)

全くゼロからだますより、一度だました相手の方がだましやすいから。
この母親が2度目にだまされてしまった原因の一つには、1度目に振り込んで息子を助けた行動と一貫性を保ちたいという法則があることも挙げられます。
そのほかにも
一度許したDV夫と別れられない離婚問題のケース
明らかに悪質商法なのに、自分で契約書にサインしたことで、クーリングオフ、契約の取消をしてはいけないのではないかと悩んでしまう消費者問題のケース
客観的には破産せざるを得ない家計の収支状況でも、何とか返そうと思い、友人・親族に迷惑をかけてしまう借金問題のケース
など、多くの法律問題で、この一貫性の法則は当てはまります。
『影響力の武器』のなかで、一貫性の法則のワナから逃れるためには
「全般的にみれば、一貫性は良いもので、不可欠なものでさえあるけれども、馬鹿げていて、融通がきかず、避けた方がよい種類の一貫性もあることを自覚する。」「「今知っていることはそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするだろうか」という厄介な質問を自分自身に問いかけなくてはならない。」
と述べられています。
過去の行動を離れて、冷静に今の状況を見つめてみる。
このような法則に縛られず、今、一番良いと考えられる行動をとりましょう。
法律問題では、冷静さを取り戻すために、法律相談を受けてみるなど第三者の意見を聞くというのも有効な手段です
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一貫性の法則とよばれるものです。
この法則は、日常生活のなかだけではなく、多くの法律問題の場面でも当てはまります。
例えば、貸したお金を返してもらいたいという場面。
「この前貸した5万円返してよ」
「悪い、今手持ちがなくて、来週まで待ってくれない?」
「うーん、じゃあ来週」
翌週
「この前貸した5万、返してよ」
「すまん、来月の給料が入ったら返すから、それまで待ってくれない?」
「えー、今週って話だったよな?」
「なんとか頼むよ。この前は待ってくれたじゃないか。な?」
「うーん、仕方ないか」(この前、1週間待ったんだし、今回も待ってみるか)
これが繰り返されて何年も返ってこないということがあります。
1週間待つという過去の行動と一貫した行動をとりたいという法則があるため、徐々に返済期間が延びていくという例です。
振り込め詐欺
「母さん、俺だよ」
「あら、タクモ。この前、携帯の番号が変わったっていう連絡を受けた以来ね。どうしたの?」
「実は、いま、仕事をほかにしててね。副業ってやつ?
家庭用日焼けマシーンを売る商売をしてるんだ。もうすごい売れちゃってね。母さんにも、親孝行できると思うんだ。でも、少しだけ仕入の資金が足りなくって。
来週になれば、前に売れた代金が入るんだけど、それまで待てないんだ。なんとか100万円貸してくれないかな?来週には返すから。」
「タクモったら、商才あるのね。わかった、どこに振り込めばいい?」
「ありがとう。来週には返す。ここに頼むよ。父さんには、儲かったお金でマッサージ機を買ってビックリさせたいから、この件は2人だけの秘密にしておいてくれない?」
「わかったわ。」
後日
「母さん、昨日はありがとう。おかげで日焼けマシーン売れまくりだよ。来週には利息つけて返すよ」
「タクモ、いいわよ、利息なんて」
「ところで、本当に頼みにくくて、母さん以外にはお願いできないんだけど、つなぎの資金が足りなくて、5日間だけ、もう200万円ほど貸してくれないかな?来週にはまとめて返せるから」
「200万!?うーん、定期でも解約しないと、厳しいわね」
「なんとか頼むよ。昨日も助けてくれたじゃないか」
「タクモの頼みなら仕方ないわね。何とかするわ」
振り込め詐欺では、同じ相手から複数回振り込ませることが常套手段として行なわれています。
職業”振り込め詐欺” (ディスカヴァー携書)

全くゼロからだますより、一度だました相手の方がだましやすいから。
この母親が2度目にだまされてしまった原因の一つには、1度目に振り込んで息子を助けた行動と一貫性を保ちたいという法則があることも挙げられます。
そのほかにも
一度許したDV夫と別れられない離婚問題のケース
明らかに悪質商法なのに、自分で契約書にサインしたことで、クーリングオフ、契約の取消をしてはいけないのではないかと悩んでしまう消費者問題のケース
客観的には破産せざるを得ない家計の収支状況でも、何とか返そうと思い、友人・親族に迷惑をかけてしまう借金問題のケース
など、多くの法律問題で、この一貫性の法則は当てはまります。
『影響力の武器』のなかで、一貫性の法則のワナから逃れるためには
「全般的にみれば、一貫性は良いもので、不可欠なものでさえあるけれども、馬鹿げていて、融通がきかず、避けた方がよい種類の一貫性もあることを自覚する。」「「今知っていることはそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするだろうか」という厄介な質問を自分自身に問いかけなくてはならない。」
と述べられています。
過去の行動を離れて、冷静に今の状況を見つめてみる。
このような法則に縛られず、今、一番良いと考えられる行動をとりましょう。
法律問題では、冷静さを取り戻すために、法律相談を受けてみるなど第三者の意見を聞くというのも有効な手段です
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ついに本日公開となりました・・。 この秘密のノウハウの特別提供は一度だけなので ... 続無知の知【2010/01/29 19:13】