検証過払い
貸金業者側からの過払い金について述べた書籍。

検証過払い―多重債務問題の解決にならない過払金返還請求の実態




過払いは容認できない」との意見を述べた本です。

この本でも、一時期テレビのコメントでもされていた主張は、

過払いというのは、かつて法律で有効だったものが遡って無効になるのでおかしいというもの。

これに対する消費者側の意見としては、利息制限法という強行法規があって、例外的に厳しい要件を満たした場合に限り有効となる規定があるに過ぎないというもの。





遅くても私が弁護士になった平成13年以降、多重債務問題の現場では、当然に利息制限法の適用を前提にした処理が進められていました。

任意整理では、貸金業者側も当然のように利息制限法が適用されることを前提にしていました(商工ローン以外)。また、自己破産や個人再生を申し立てる場合にも、利息制限法にしたがって計算をおこなって、負債額を出して、破産や再生をしなければならない状態なのか検討をしていました。過払い金があれば、その回収をしたうえで処理を進めていました。今と変わらない。あえて変わった点があるすれば、過払い利息の有無、利率くらい。



弁護士の現場では、利息制限法を上回る利息が有効だったなどとは全く感じていません。それにもかかわらず、有効だったものが平成18年最高裁判決によって遡って無効になるのはおかしいという主張をされても、まったく納得できないのです。



もちろん、弁護士に辿り着けなかった人は、利息制限法の主張ができず、高い利息を払っていた事実はあります。

しかし、貸金業者さんも弁護士が入った場合には、上記のような対応をしていたはず。

弁護士が関与する人が増えれば、今のような事態になることは十分予想できたはずではないでしょうか。





この本では、利息制限法の話のほか、過払いを容認できない理由として、専門家の脱税など、一部の問題行為を指摘しています。

そりゃぁ、一部の専門家が、過払い金事件の売上を意図的に除外して脱税していた話などあってはならない話ですが、これは過払いに限ったことではありません。



本では、専門家の費用の不透明さについての指摘もありますが、いまどき、費用を明示しないで事件処理を進める弁護士事務所があるのでしょうか。

日本司法書士連合会では、ようやく報酬を明示するよう定めた指針を作成したようです。

一部の問題ある専門家によって、全うに過払い事件の処理をしている専門家の存在が疑問視されるとしたら、残念です。

近時の最高裁判決は、多重債務問題を解決したい、自殺者を減らしたいなどの目的を持って長期間活動し続けた先輩方によって勝ち取られたものと感じています。

過払い金によって多重債務問題が解決した人もたくさんいるのです。

専門家の問題行為を理由にするなら、専門家に頼まなくても過払い金を返すような対応を取れば良いのです。そうすれば問題は一挙に解決するのに。



本の主張が全ておかしいということではなく、

「基本的な家計管理の能力を高めることと、必要があって借入を行う場合でも適切なサービスを選択できる能力を身につけることが主眼となる。」

など、賛成できる部分もあります。



大事なのは、多重債務問題を解決するために、どういう世の中を作っていきたいのか、しっかり考えながら仕事をすること。



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2010/01/22(Fri) | 過払い | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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