弁護士石井琢磨です。
交渉術について書いた『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』のなかで、
相手の表面的な言動や感情の後ろにある欲求を探るという話をしました。
プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

この本の中では、その欲求について、
相手とつながっていたいという欲求や
役割をもらいたいという欲求を紹介しました。
この他に、人が動く欲求に、どのようなものがあるのでしょうか。
これは、いろんな本で分類されています。
私が分類として参考にしているのは、参考文献にもあげた『新ハーバード流交渉術』のことが多いです。
新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすか

この本では、人間の核心的欲求を5つに分類しています。
・価値理解 →自分の考え方、思い、行動に価値があると理解してもらいたい
・つながり →仲間になりたい
・自律性 →意思決定の自由が欲しい
・ステータス →自分にふさわしい地位を
・役割 →満足できる役割
ただ、これが完全にどこでも使えるかというと、それも違うと感じています。
そのため、人の欲求については、私自身の知識も常にアップデートを続けています。
たとえば、ベストセラーになっている『幸せになる勇気』を、最近になって読んだのですが、ここでも欲求に絡む心理が紹介されていました。
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

この本は、教育をテーマに取り上げているところ、子供が問題行動を起こす場合の、その背後に働く心理として5段階あると分析しています。
1 称賛されたい → ほめられないと適切な行動をしなくなる
2 注目喚起 → ほめられないなら、とにかく目立ちたい。無視されるくらいなら叱られるほうがいい
3 権力争い → 親や教師に反抗する。不従順で自分の力を証明しようとする。
4 復讐 → 権力争いでも負けると、認めてくれなかった人に復讐。
暴力、暴言のエスカレート、犯罪に手を出すことも。
5 無能の証明 → 憎んですらくれないなら、関わって欲しくない。自分がいかに無能であるか、愚者を演じたり、無気力になる。
この本では、子供の事例が紹介されていますが、人間関係のトラブルの相談を受けていると、大人でも、この5段階の心理が当てはまるケースは多いと感じます。
本の中では、第4段階に入っていたら、当事者同士で解決するのは難しく、利害関係のない第三者に助けを求めるしかないとしています。
親族間のトラブルなんかでも、本人同士での話し合いでは解決できないだろうなと感じることは多いです。
調停のような第三者が間に入る制度を使うか、代理人をつけるなどしないと解決できない問題はあるのだと、あらためて実感したところです。
サラリとかわせない人間関係に悩んでいる人は、この5段階論をチェックしてみて、どの段階にあるか分析してみると、解決の糸口になるかもしれません。

ご相談は相模川法律事務所ホームページへ
弁護士石井琢磨twitter
交渉術について書いた『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』のなかで、
相手の表面的な言動や感情の後ろにある欲求を探るという話をしました。
プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

この本の中では、その欲求について、
相手とつながっていたいという欲求や
役割をもらいたいという欲求を紹介しました。
この他に、人が動く欲求に、どのようなものがあるのでしょうか。
これは、いろんな本で分類されています。
私が分類として参考にしているのは、参考文献にもあげた『新ハーバード流交渉術』のことが多いです。
新ハーバード流交渉術 論理と感情をどう生かすか

この本では、人間の核心的欲求を5つに分類しています。
・価値理解 →自分の考え方、思い、行動に価値があると理解してもらいたい
・つながり →仲間になりたい
・自律性 →意思決定の自由が欲しい
・ステータス →自分にふさわしい地位を
・役割 →満足できる役割
ただ、これが完全にどこでも使えるかというと、それも違うと感じています。
そのため、人の欲求については、私自身の知識も常にアップデートを続けています。
たとえば、ベストセラーになっている『幸せになる勇気』を、最近になって読んだのですが、ここでも欲求に絡む心理が紹介されていました。
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

この本は、教育をテーマに取り上げているところ、子供が問題行動を起こす場合の、その背後に働く心理として5段階あると分析しています。
1 称賛されたい → ほめられないと適切な行動をしなくなる
2 注目喚起 → ほめられないなら、とにかく目立ちたい。無視されるくらいなら叱られるほうがいい
3 権力争い → 親や教師に反抗する。不従順で自分の力を証明しようとする。
4 復讐 → 権力争いでも負けると、認めてくれなかった人に復讐。
わたしを愛してくれないことは、もうわかった。だったらいっそ、憎んでくれ。憎悪という感情のなかで、わたしに注目してくれ。そう考えるようになるのです。(98頁)
暴力、暴言のエスカレート、犯罪に手を出すことも。
5 無能の証明 → 憎んですらくれないなら、関わって欲しくない。自分がいかに無能であるか、愚者を演じたり、無気力になる。
この本では、子供の事例が紹介されていますが、人間関係のトラブルの相談を受けていると、大人でも、この5段階の心理が当てはまるケースは多いと感じます。
本の中では、第4段階に入っていたら、当事者同士で解決するのは難しく、利害関係のない第三者に助けを求めるしかないとしています。
親族間のトラブルなんかでも、本人同士での話し合いでは解決できないだろうなと感じることは多いです。
調停のような第三者が間に入る制度を使うか、代理人をつけるなどしないと解決できない問題はあるのだと、あらためて実感したところです。
サラリとかわせない人間関係に悩んでいる人は、この5段階論をチェックしてみて、どの段階にあるか分析してみると、解決の糸口になるかもしれません。

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