仲人に報奨金を払うと人口減少は止まるか?
弁護士石井琢磨です。

仲人に報奨金


NHKニュースで、

「仲人」に報奨金 人口減少に歯止めを

という記事を見かけ、ツイートしたら、私にしては、たくさんリツイートされてビックリしましたので
ブログでも取り上げておきます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140914/k10014597611000.html


飯山市ウェブサイト

http://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/sundemimasenka/ijyuteijyu/iiyamashisawayakakonkatuouen.html/36831

記事で紹介されたのは、長野県飯山市の取り組み。

記事によれば、飯山市は、人口2万2000人余りの都市。
この1年間で2%以上と人口減少が急速に進んでいるそうです。
その対策のために、結婚を仲介した仲人に5万円の報奨金を支払う制度を設けたとのこと。
2人が結婚後、1年以上、市内に住むと見込まれる場合に報奨金が支払われるそうです。

このような制度は、飯山市だけではなく、いくつかの市町村でも導入されているようです。
報奨金は5~20万円くらい。


この記事を見たときの第一印象は、「めんどくさっ」というものでした。

結婚する側からすると、仲人に拘束される感じがします。
この制度に対して「怖い」という意見も出ています。それに近い。

たとえば、結婚後に引っ越そうとしたら、仲人から何か言われそうじゃないですか。
「いや、1年以上、住むって見込みで報奨金もらってるんだから、引越は待ってくれよ」
とか、
「お前ら、簡単に離婚するなよ」
とか。
どこか強制的に連れて来られる感があるのです。

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たまたま先週、経済に関する講演で次のような話を聞きました。
消費税増税って確か社会保障のためで、増税前に支出の削減しなきゃねって言ってたけど、今の政府って思いっきり金使ってるよね
政府は地方自治体に補助金を出して、まあ使えない施設がたくさんできている、
地方自治体の人は、いかにして補助金をもらうかという視点になってしまっている。
こんな内容。

政府も、人口減少克服や地域再生を課題にしています。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1230997

このあたりの話を聞いた直後だったので、仲人に報酬なんてことに税金を使うのか、とツイートしてしまったわけです。


この制度については、結婚する側からすると、怖い印象を受けるのですが、それだけではありません。

心理学的にも不安要素があります。

仲人のような活動は、本来、報酬目的でないボランティアのような活動だとイメージしています。
少なくとも私が出合った数少ない仲人はそうでした。

このようなボランティア活動に、金銭を持ち込むとまずいと言われます。

自分の心の中で自発的にやる気になっているのに、金銭報酬のような外部からの動機を持ち込むとうまく働かない、お金がもらえないならやらない、という発想になってしまうのです。

心理学用語では「アンダーマイニング効果」と呼ばれたりします。


ボランティアは内発的動機から始まる。支援したいから支援する、それがボランティアだ。
しかし軸足が外発的動機(お金)に移ってしまうと、お金がもらえないならやらない、とか、あっちのほうが給料高いからやめるとか、そういうことが起き始める。


『人を助けるすんごい仕組み』より
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私は、中学生の頃、テストで満点を取ったらCDを1枚買ってやると親から言われました。
この外発的動機だけで成績を上げました。
しかし、高校に入り、この制度がなくなったところ成績は見事に落ち、偏差値は30台になりました。

外発的動機で数字が出るのは一時的。
それが止まると、効果はなくなるのです。

仲人報酬の制度で怖いと感じるのは、本来は内発的動機で仲人活動をしていた人が、報酬により外発的動機になり、税金から支出される報酬がいずれ打ち切られたとき、誰も仲人をしなくなるんじゃないか、という点です。

なお、仲人という名称は使っても、ビジネスとしての結婚紹介業の方は元々外発的動機ですから、今回の話には当てはまりません。
飯山市の例でも結婚紹介業は対象外とされています。

ビジネスでする場合には、特定商取引法などのルールを守らないと、こんな風に処分されますのでご注意を。
http://www.pref.saitama.lg.jp/news/page/news120321-07.html

仲人への報奨金は、個人的には意味がないと考えますが、効果を信じている自治体が複数あるようですので、ぜひデータを検証してもらいたいですね。

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2014/09/17(Wed) | news | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
同じスーツを8着買え! 『一分で一生の信頼を勝ち取る法』より
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弁護士石井琢磨です。

矢野香さんの本
『【NHK式+心理学】 一分で一生の信頼を勝ち取る法―NHK式7つのルール―』
を読みました。
どこがタイトルなんだろう、
というツッコミは置いておき、著者は話し方のプロです。

ということで、この本は、短時間で信頼される話し方を学べるもの。

紹介されているテクニックの中に「話す前に成功を取りつける7つの秘策」という章があります。

秘策のうちの一つが
「同じ服を着る」

矢野さんのセミナーに参加したことがありますが、本の帯に出ている写真、ウェブ上での写真と同じ格好をしていました。

統一感を出しているんだろうな、と感じていたのですが、やはり、これは彼女のテクニックだったのです。


NHKでは、2月に番組宣伝として使う写真を撮り、4月から新番組がスタートするそう。
その間に、髪型を変えてしまうと、「あなた誰?」と視聴者に違和感を与えてしまうのです。

だから、変えない。


「いつも同じ髪型、いつも同じ服、いつも同じ声、いつも同じ口調、それが安定感につながり、信頼を得られます。」
「違う服を着たくなるのは、エゴでしかありません。」(173ページ)



矢野さんは、まったく同じ紺色のスーツを8着用意しているとか。

そうだったのか・・・

信頼を得るためには、このような努力も必要なのです。

以前、3日連続して開かれる裁判員裁判を担当したとき、服装に悩んだことがあります。
裁判官相手には悩まないのですが、一般市民が判断する際には、こちらの着ている服で信頼度が変わってしまうかもしれません。
そこで、何色のネクタイを使うべきか
3日間のスケジュールで、自分が目立ってはいけないシーン、積極的に信頼させなければならないシーンなどを想定して、どのように色を使うのか悩んだのです。

が、答えは、本書に書かれていました。


「みなさんもまずは、半年同じ色のネクタイをつけ続けてみてください。」(174ページ)。



矢野さんのクライアントの国会議員は、いつも同じ色のネクタイをつけているそう。

同じネクタイで良かったのか。

毎日変えることを前提にしてしまっていた自分が恥ずかしい。


他人から信頼されなければならない仕事をしている人は、ぜひ他の秘策もチェックし、同じスーツを8着買いましょう。


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