知らないと裏切られる?『みにくいアサヒるの子』
弁護士石井琢磨です。

信じていたのに、裏切られた



法律事務所とは、そんな声が日々、寄せられる場所。

妻が、兄弟が、友人が、会社が、取引先が、毎日どこかで、裏切っています。

裏切りの過程には、たいてい、ウソがあります。
世の中には平気でウソをつく人がいます。

客観的な事実と明らかに矛盾することを言い続ける。

つい最近も絶対に送っていない書類を、自信満々に「送った」と言い続ける人を見かけました(結局、送っていない)。
証言台で堂々とウソをつく人もいます。

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平気でウソをつくのは、人だけではありません

上場企業、医療業界、保険会社、そして国。


どんなウソが世に出回っているのかを紹介してくれるのが、こちらの本。

ヘッテルとフエーテルのみにくいアサヒるの子
ヘッテルとフエーテルのみにくいアサヒるの子



詐欺や、やらせなどを童話形式で説明してきたマネーヘッタチャン氏の三作目。

アサヒる、とは

1 でっちあげの嘘をつくこと
2 自分の利益のために、ごまかし上手く立ち回ること
3 嘘を元に相手を責め立てること


だそうです。
そんな言葉、知らなかった。


損保のウソ



本書の一つの童話「ウソでたずねて3千万」では、交通事故被害者と損保会社とのやりとりが描かれています。
事故直後は被害者の味方であるような素振りを見せていた損保会社が、難癖をつけて支払を渋り、兵糧攻めをし、無茶な論理を主張してくる

弁護士の仕事で、交通事故事件の被害者を弁護し、損保会社とやりとりをすることも多いですが、まさにこの話のとおり。

事故直後に損保会社を信じていた被害者は、たいてい「裏切られた」と言うのです。

ですが、実態を知っている我々からすれば、「またか」と感じるわけです。



本の中では、それぞれのウソへの対策にも触れられています。

交通事故の話であれば、現場の証拠写真、交渉の記録、弁護士費用特約等、本当に大事だと思われる対策が紹介されています。

みなさん、事故に遭う前に読んでおいてほしい。



彼らが平気でウソをつく理由。



それは、利益が得られるから。

アサヒる、の定義は
2 自分の利益のために、ごまかし上手く立ち回ること
でしたね。

自分の利益のために動く。

ということは、相手の利益構造を押さえておくことで、動きが予測できるわけです。


病気が増えれば病院は儲かる → 病気の定義を広める
テレビはスポンサーから利益を得ている → スポンサーの利益になる報道をする

相手を信じるとき、少しだけその利益構造に目を向けてみよう

万一のときのダメージが少なくなることでしょう。


この本を読んでいくと、不思議とその視点が身につきます。



ショック・ドクトリン



ショック・ドクトリン〈上〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴くショック・ドクトリン〈下〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く



過去にも紹介した『ショック・ドクトリン』では、災害時に、国家がどう動くのか詳しく書かれています。国が自らの利益のために被災者を犠牲にする姿。その中では、アサヒることもあるでしょう。
http://sagamigawa.blog73.fc2.com/blog-entry-536.html


ただ、あの本は、上下巻、全700ページ近くあって、読むのが大変
友人からは「気分悪くなった」という苦情も受けました。

その点、今回の『みにくいアサヒるの子』は、160ページ。童話形式でそのエッセンスを学べますし、物語ゆえ記憶に残りやすい。

ショック・ドクトリンに挫折した人にもオススメです。


ついつい信じちゃう人はチェックしてみてください。


ヘッテルとフエーテルのみにくいアサヒるの子
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2014/05/10(Sat) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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