最高裁平成21年4月28日判決 除斥期間経過後の請求
最高裁平成21年4月28日判決。



新聞等でも報道されていましたが、20年以上の前の殺人行為に対して、20年間の除斥期間を適用せずに、損害賠償請求を認めたものです。



民法724条

「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。




この最高裁判決は

「被害者を殺害した加害者が,被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じないものと解するのが相当」

と述べています。





私は何年か前に消費者問題の講演をした際、期間の問題について説明したことがありました。



クーリングオフなどで

「書面を受け取った時」から「8日以内」は解除可能

という法律の定め方がされていることがあります。



このような場合で、「書面を受け取った時」という要件は、解釈で動かせる余地があり、消費者を救済するために、この時期を後にずらして考える方法があります

→法律の要件を満たした書面でなければ、ここでいう「書面」にはならない

→そんな書面を受け取ったとしても、8日間の期間は進行しない、という考え方です。



このような考え方は、「書面を受け取った時」という起算点に解釈の余地があるからできるものです。

他の要件である「8日以内」という方は、明確な数字なので、なかなかずらせません。



このような話をしたことを思い出しました。





民法724条の規定でも、期間のうち3年の時効の方の起算点は

「損害及び加害者を知った時」

と、解釈の余地がある書き方になっています。

3年が経過していても救済したい場合には、この起算点を動かすということで救済できる可能性があります。

実際に、そういう救済をした例もあります。



ただ、20年の除斥期間の方は、起算点自体が「不法行為の時」と、一時的な不法行為の場合には、なかなか動かす解釈をしにくい書き方になっています。



法律の規定からすれば、不法行為時から20年を経過していると損害賠償請求は厳しいと感じますが、それを救済したのが、今回の最高裁判決なのです。

相当特殊な事例での判断ではありますし、民法160条に絡めているという問題はありますが、その趣旨は、起算点を解釈で動かせない場合の最後の手段として使える可能性があるのではないでしょうか。







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2009/04/30(Thu) | news | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「さあ、才能に目覚めよう」のストレングス・ファインダー


「さあ、才能に目覚めよう」という本を読み、ストレングス・ファインダーというテストを受けてみました。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす




180個の質問に答えて、自分の強みを見つけるという自己分析テスト。



こういうテストは避けているのですが、最近、あまりにamazonのビジネス書ランキング上位に載り続けていたため、ついに購入してしまいました。接触回数が多いことが購買動機につながるという話です。





このテストを受けると、34の強み要素から上位5位が選ばれるとのこと。

34の要素はこちら。

「アレンジ」「運命志向」「回復志向」「学習欲」「活発性」「共感性」「競争性」「規律性」「原点思考」「公平性」「個別化」「コミュニケーション」「最上志向」「自我」「自己確信」「社交性」「収集心」「指令性」「慎重さ」「信念」「親密性」「成長促進」「責任感」「戦略性」「達成欲」「着想」「調和性」「適応性」「内省」「分析思考」「包含」「ポジティブ」「未来志向」「目標志向」



事前に34の強みを見て、自分にどの強み要素が選ばれそうか予想してみました。

競争性とか規律性とか学習欲などの強みが認められそうだな、と自己分析。



実際にテストを受けてみると



私の上位5つの強みは

・分析思考

・収集心

・回復志向

・慎重さ

・目標志向

でした。



分析思考、慎重さ、目標志向は納得の結果です。



でも、収集心って何だ?

私は、小さい頃から、何かを集めるというのが苦手だったはず(飽きっぽいから)。

コレクションもないですし。



そこで、「収集心」の箇所を読んでみると

「あなたは知りたがり屋です」

「あなたが収集するのは情報-ことば、事実、書籍、引用文-かもしれません」

「もしあなたが読書家だとしたら、それは必ずしもあなたの理論に磨きをかけるためではなく、むしろあなたの蓄積された情報を充実させるためです」

との記載がありました。



なるほど。



情報収集と言われると納得できます。色々なものに、データを集めたり、記録をとったりしてますから。





次に、もう一つ意外だった「回復志向」の箇所を読んでみると

「あなたは問題を解決することが大好きです。」

「あなたは症状を分析し、何が悪いのかを突き止め、解決策を見出すという挑戦を愉しみます」



弁護士としては良いかも。







では、該当しない要素を読むとどうでしょう。

誰でも当たるなどという占いでは、「基本は明るいけど、たまに暗い一面もある」などと誰にでも該当するような説明をされて、「当たっている!」と思い込んでしまうこともあります。

そういうことがないかチェックしてみました。



当たると予想していた

競争性の箇所

「あなたがどれほど頑張っても、あなたの目的がどれほど価値のあるものであろうと、競争相手を超える出来映えで目標に到達していなければ、その成果が無意味に感じられるのです」



イヤー、これは疲れそうです。そこまで闘いたくない。

競争が好きだと思い込んでいたのは、あくまで目標志向の過程だということになりそう。







学習欲の箇所

「あたたは学ぶことが大好きです。」「学ぶプロセスに心を惹かれます」「内容や結果よりもプロセスことが、あなたにとっては刺激的なのです」



これも違うかな。プロセスより結果でしょう、という発想なので、私が学んでいるのは、すべて目標志向や収集心によるものということになりそう。

そういえば、小さい頃から勉強は嫌いだったな。試験のような目標が与えられると強いけど。





全く該当しないだろうと思っていた箇所を読んでみたら、本当に全く該当していませんでした。

やはり私には、調和性とか社交性とか全くないんですね。





うーん、私にとっては、かなり精度の高い結果となりました。

ほかの人にも勧めて試してみよう。







こういう自己分析は、分析して、あっそう、と納得して終わりではほとんど意味がありません(目標志向)。



この本の良いところは、ある要素が強みとされた場合、それをどのように活かすかが記載されていること。

私も、強みを活かす活動をしていきたいと思います。

まあ、その前に、そもそも強みというのは、活動する領域の状態によって評価が変わるものですので、そこから分析せねば(分析思考)。





もし、このテストの精度が高いようであれば、チームを組んだり、人を雇ったりするときに、不足する要素を強みとする人物を探すこともできますね。



ところで、このストレングス・ファインダーというテストを受けるには、カバーの裏にあるコードをネットで入力しなければなりません。

コードが使えるのは1回なので、新品で購入しないといけないのです。



採用試験で使おうと思ったら、まとめ買いが必要なのです。



なるほどー、そういう人が買っているから、ランキング上位に居続けていたのですね(分析思考)。



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2009/04/27(Mon) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大型連休中の営業について


テレビを付けたら、今日から「大型連休」と報道されていました。



本当!?



来週は29日しか祝日がないのに、他の平日も休めば○連休って、かなり無理した表現のような。





大型連休中、当事務所はカレンダーどおりの営業です。

土日祝日は休み、平日は営業です。





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2009/04/25(Sat) | 事務所について | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
任意整理の状況


借金問題の解決方法の一つとして任意整理があります。



グレーゾーン金利の精算をして、再計算後の残金を長期間分割して支払っていくものです。

再計算して借金がなくなっていれば過払い金の請求、残っていれば支払う話を進めるものです。

これは1社1社と交渉のうえ、任意の和解という形で話をまとめていきます。



交渉なので、貸金業者側がYESと言わなければまとまりません。

先輩方が積み重ねてきた長年の経緯があり、このような方法が一つの解決方法になったものです。



しかし、最近、和解がまとまらなくなってきています。

某社からは、方針変更した、分割には一切応じない、一括で延滞金をつけて返済しなければ応じない、訴訟を起こすと強気の回答をもらいました。

大手でも、今まで成立していた内容の話がまとまらなくなってきています。



任意整理がまとまらないと、他の法的手続を取るか、消耗戦になるか、ですね。



こうなることは予測していましたが、少し時代の流れが早いと感じます。





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2009/04/21(Tue) | 過払い | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
高速代金と特急代金の違い


刑事事件の国選弁護事件を担当することがあります。

私が弁護士になった頃は、接見に行ったり、裁判所に行ったりする際の交通費は自腹でした。

すこし前に、これが改善されて、交通費相当額が支給されるようになりました。

進歩ですね。



さて、そんな交通費相当額ですが、全てが支給されるわけではないというFAXが来ました。



車で移動した場合の高速道路利用代金→支給される。

タクシー代→支給される。

特急電車代金→支給されない。



この区別がよくわからない。



いずれも、他の移動方法が存在していて、それよりも時間を節約するための移動方法だと思うのですが、なんで特急だけダメなんでしょう。

まあ、もともと自腹だったわけですから、支給されなくても自費で負担しますけど、理論的に大丈夫なのかな。



急な接見要請があったときに、遠くの警察署まで特急で行き帰りすればスケジュールが何とかなるという事態に陥ったら、迷う弁護士が出てきませんかね。





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2009/04/20(Mon) | 刑事事件 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
HEALTH HACKS!を読む


私は、普段、朝型なので早起きをしています。

休みの日くらいは、ゆっくり寝ていようと思い、スリープトラッカーを外して目覚まし時計もセットせずに寝るのですが、

なぜか平日より早起きになります。

今日も4時過ぎに目覚めました。

目覚めが良いので、そのまま起きて朝から色々と活動しています。



最近、こちらの本を読みました。

HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術
HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術









ビジネス書のタイトルを引用している章立てがすごいです。
私も「法律HACKS」とか企画してみようかと思ったくらい(二番煎じ健在!)。


こちらの本では、ホームベーカリーの紹介がされていました。

そういえば、テレビでも内食が流行していることから、ホームベーカリーも売れていると流れていました。

流行なのですね。



我が家にも、ホームベーカリーがあるので、本で紹介されていたレシピでパンを作ってみることにしました。

通常と違うのは、健康のためバターの代わりにオリーブオイルを使うというもの。



試してみると・・・

うん。

味はよくわからない(味オンチですから)。

変わらないような気がしますね。

でも、焼き上がりがいつもより小さい気がします。

ネットで調べてみると、同じ感想のブログがたくさん見つかりました。



この現象は普通のようですね。



通常時→オリーブオイル

大きいパンを作りたいとき→バター使用

という法則が石井家にできました。



この他に、砂糖の使用量を半分にしても、大して味の違いがわからないことに気づきました(本当に味オンチだな)。



さらに色々削ってみようと模索中です。





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2009/04/19(Sun) | 健康 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
その証言は信用できるのか?


逆転無罪の最高裁判決が話題になっていますね。



一審・二審とも被害者の証言の信用性を認めたのに対し、最高裁は信用性に疑問の余地があると判断したとのこと。



誰かの証言が信用できるかどうかは、いくつかの判断基準があります。

それらをまとめて検討して、信用できるか決めます。

例えば、客観的な証拠と証言が合ってるか?→重要な部分で合っていないとしたら、信用できない方向へ

過去の供述と今の証言と変わってしまっていないか?→言っていることが、コロコロ変わっていたら、信用できない方向へ

証言の内容が、迫真的か?→現実に起きたことのように迫真的なら、信用できる方向へ

などのような判断基準があります。



ただ、このような基準って、判決を書く立場からすると、どこに光を当てるかで、どうとでも書けてしまう気がしていました。



弁護人として、細かい論理を積み重ねたのに、判決では「証言内容は迫真的で自然だ」の一言でバッサリと切られてしまうことはよくあります。

こんなときは、そこだけに光を当てれば、そういう結論になるけど、他の部分は一体・・・?という気持ちになります。



今回の判決は、痴漢事件のものではありますが、裁判官が、証言の信用性について判決を書くときに、頭をよぎるものになるのではないでしょうか。



もちろん、我々も違うところに光を当てる努力を続けていかねば!





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2009/04/15(Wed) | 刑事事件 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
消費者金融やカード会社の社名変更


この4月、消費者金融やカード会社の社名変更や合併の連絡が何件か来ました。



オーエムシーカード+クオーク+セントラルファイナンス→株式会社セディナ



GEコンシューマーファイナンス→新生フィナンシャル株式会社

ただし、もともとジーシーだったカード部門でGEコンシューマーファイナンスに取り込まれていた事業は

新生カード株式会社に移ったそうです。



これらの会社以外にも、親会社の変更があった会社などもあり、借金問題の現場では、業者の対応が変わったと感じることもあります。

お客さん間でも、相談時期のタイミングが違うことで、生じる結果に違いが生じるということが起きていますね。



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2009/04/09(Thu) | news | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
バッジを紛失するとニュースになってしまうという話
弁護士バッジをなくしたら、紛失届を出す必要があります。

紛失届を1年以上出さないでいると、ニュースになってしまうようです。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090330-00000010-ykf-ent



バッジをなくした経験はありませんが、バッジをなくして1年間気づかないということはあり得るかもしれません。

というのも、私自身の活動で、バッジを使うタイミングは、警察署と東京地裁くらいだからです。

これらの場所ではバッジを確認する過程がありますが、ほかではないです。

事務所では付けていませんし、裁判所でも所持はしていますが付けていません。

刑事事件をやらなくなったり(某組織から切られたり)、東京に行く事件がなくなったりすると、1年間バッジを使わないことはあり得ますね。

ニュースにならないよう気を付けねば。



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2009/04/08(Wed) | news | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
公益活動をするとポイントがもらえるという話


神奈川の弁護士会でも、4月からポイント制が導入されました。



これは、弁護士の公益活動や委員会活動にポイントを付け、一定ポイントを稼がないと負担金を支払わなければならないという制度です。

みんな、公益活動をしようね、という趣旨のようです。

このような制度は、東京でも実施されているそうです。



神奈川の弁護士会の場合、年間12ポイントが必要ポイントで、これに達しない場合、1ポイント不足ごとに、1万円を負担しないといけないことになりました。



どんな場合にポイントが付与されるのか見てみると

被疑者国選 4ポイント

被告人国選 2ポイント

当番 1ポイント

民事法律扶助事件 2ポイント

法律扶助審査委員 6ポイント



支部では普通に活動しているだけで、あっさりとクリアできる基準のようです。





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2009/04/03(Fri) | 弁護士日記 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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