『とめはねっ!』書道マンガを読むと字は上手くなるか?
弁護士石井琢磨です。

この数年、文字を手書きすることが減りました。
その影響で、ますます私の字が読みにくくなったようで、たまに事務所スタッフに手書き付箋で指示をすると、伝わらないという問題が目立つようになりました。
さらに、人狼をするときに、予言結果や気になる投票をメモすることがあるのですが、自分で読めないことも出てきました。

これはマズイ。

そこで、字を丁寧に書くマインドを身につけようと思い、
書道マンガ『とめはねっ!』を完読しました。

とめはねっ!-鈴里高校書道部- コミック 全14巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)
とめはねっ!-鈴里高校書道部- コミック 全14巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)



書道でも少年マンガにできるもんですね。


残念ながら、マンガを読んだだけでは、字の丁寧さは改善しなかった様子。



ただ、これを読んだ後、やたらと仕事に対する意欲、成長意欲が膨らんできました。

なんでだろう。

この作者、河合克敏さんの作品には、『帯をギュッとね!』という柔道マンガがあります。

帯をギュッとね! 文庫全16巻 完結セット (小学館文庫)
帯をギュッとね! 文庫全16巻 完結セット (小学館文庫)



自分が陸上に打ち込んでいた高校生の頃、このマンガでモチベーションを上げていた時期がありました。
ジャンルは違いますが、スポーツもの、成長もの、ということで、まあエネルギーをもらっていたわけですね。

今回は、「書道」という思いっきり文化系のマンガだったのですが、おそらく、同じ画風とかコマ割の癖とかで、私のモチベーションも高校生の時のことを思い出して刺激されたものと思います。


やる気とか集中力とか感情とかって、自分の中にあるスイッチを押すことで再現できるのですね。

『自信の秘密50』という本では、自信があったときのエピソードを脳内に描写することで、今、自信が出てくるとされています。

「あなたが最も自信に溢れていたときを思い出してみよう。そのとき何が見えて、周りでは何が起きているだろう?外側から観察するのではなく、その記憶の中に身を置くことが大切だ。話をしていたなら、どんな単語を使い、どんな表現をしていただろう?どんなふうに立っていたか、動いていたか、そして最も重要なのは、どんなふうに感じていたのかに集中しよう。自信という感情はあなたの体のどこにあり、その感情はどう動くのかを把握するのだ。
こうして過去の記憶を思い出しただけで、あなたは今、自信があるような気分になっているのがわかるだろうか。」

どんなときも絶対折れない自分になる 自信の秘密50
どんなときも絶対折れない自分になる  自信の秘密50リチャード・ニュージェント 前田雅子

CCCメディアハウス 2016-09-15
売り上げランキング : 238517


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




モチベーションが上がったマンガのシーンをファイリングして、感情を再現するのに使うというビジネスマンもいます。
今回の体験では、そのマンガそのものでなくても、同じ作者の同じテイストの作品でもその効果があることが体感できました。

字はさっぱり上手くなりませんでしたが、思わぬ気づきを得られました。

この方法と、このマンガ、オススメです。

とめはねっ!-鈴里高校書道部- コミック 全14巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)
とめはねっ!-鈴里高校書道部- コミック 全14巻完結セット (ヤングサンデーコミックス)





ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

弁護士石井琢磨twitter





2017/03/17(Fri) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ユニクロで浪費した話
弁護士石井琢磨です。

私は、衝動買いとか浪費はほとんどしない性格なのですが、昨年末、ユニクロに行ったら、いらない物までどんどん買ってしまい、レジで1万8000円とか言われ驚き、帰ってから後悔しました。

ふだんから、「浪費してしまった」、「ギャンブルで負けた」なんて理由で、借金した人の相談を受けることもあり、自分がそういう方向に行くことは少ないのです。

なのに、何でこんな買い物をしてしまったのでしょうか。


実は、医者からの指導で、8日間ほど、生活に制限を受けていました。

・運動ダメ
・ウォーキングもダメ
・重い物も持っちゃダメ
・風呂は3日間ダメ
・スタバもダメ(紅茶、コーヒー、ミルク)
・スムージーも、生野菜もダメ
・食事は、おかゆ、うどん、軟飯、卵、ささみ、ゼリーくらい

えーっと、何というか、私の生活の大部分が否定されたしまった感じです。
あ、ちなみに酒もダメでした。
忘年会シーズンでしたが。

a0960_004781.jpg



食事は、炭水化物が多くなり、食べたい物も食べられない。
頭が働かなくなり、仕事も溜まっていく。ストレス。

ガマン、ガマン。

と、こんな生活をしていると、反動が出るのですね。

買い物なんかすると、余計な物までつい買ってしまいます。
Amazonのサイトを見ても、普段より早いスピードでクリックして買っちゃいます。
ワンクリックより速い0.9クリックくらいのスピードでどんどん買い物をしてしまいます。

思い出しました。


意志力は消耗するという話。


①意志力の量には限りがあり、それは使うことで消耗する。
②すべての種類の行動に用いられる意志力の出所は一つである。


『WILLPOWER 意志力の科学』

WILLPOWER 意志力の科学
WILLPOWER 意志力の科学ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー 渡会圭子

インターシフト 2013-04-22
売り上げランキング : 10147


Amazonで詳しく見る
by G-Tools





ガマンをする意志力は有限で、消耗するという話です。

1カ所でガマンすると、他でガマンする力が落ちてしまうのです。


日常生活でガマンを強いられた私は、買い物の際に、意志力が不足してしまい、浪費に走ってしまったという訳です。

この結果から、私がふだん、いかにガマンしない自由な生活を送っているか実感できました。



これを逆から考えると、浪費やギャンブルに走ってしまっている人は、意志力を消耗している環境に置かれている=ガマンばかりしていると推測できます。

今までの相談を振り返ると、一時的に浪費、ギャンブルに走ってしまった人は、そのタイミングで仕事・家庭で大きなガマンを抱えていた傾向があります。

私は、せいぜい8日間のガマンでしたが、これが何ヶ月も続くと、意志力がどうなっていたか怖いですね。

あらためて、意志力が弱っているときは、買い物・ギャンブルに近づかないことを勧めます。



意志力の本の中では、次のような解決策も提案されていますので、参考にしてみてください。

自己コントロール能力を一定に保つためには、GI値の低い食べ物を食べたほうがいい。ほとんどの種類の野菜、ナッツ類(ピーナッツやカシューナッッなど)、生の果物(リンゴやブルーベリーや梨など)、チーズ、魚、肉、オリーブオイルやその他の「体によい」油脂などがこれにあたる

睡眠

散らかった机を見ると、きれいな机を見たときに比べて自己コントロールが発揮できなくなる

監視はどんな計画を立てるときも重要だ。計画を立てないときですら効果を発揮する。毎日体重を計る、あるいは食事日記をつけることは減量の助けとなる。買ったものを記録すると出費を減らす役に立つのと同じだ。



WILLPOWER 意志力の科学
WILLPOWER 意志力の科学ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー 渡会圭子

インターシフト 2013-04-22
売り上げランキング : 10147


Amazonで詳しく見る
by G-Tools





たったの1,2分、ゆっくりと呼吸するだけで意志力の保有量が増える

瞑想

楽しいと思っていることを心から味わうようにしたところ、思っていたよりずっと少しの量で満足できることがわかった。



スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)
スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子

大和書房 2015-10-10
売り上げランキング : 1000


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


2017/01/09(Mon) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
『脳が認める勉強法』は、司法試験一発合格法としても正しかった
弁護士石井琢磨です。

司法試験の受験生時代、まわりと比べて、自分の勉強法は変っていました。

・場所をしょっちゅう変える
・長い時間、一つの勉強を続けない
・仮眠をよくとる
・いきなり実戦

・試験当日に再現できる道具にこだわる

飽きっぽく、勉強嫌いの自分の性格から、「これが効率よく受かる方法だ」と考えていました。

昨年末に出版された『脳が認める勉強法』という本を読んだら、私の仮説は、けっこう正しかったみたいです。
多くの実験結果が紹介されていました。

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!
脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!ベネディクト・キャリー 花塚 恵

ダイヤモンド社 2015-12-11
売り上げランキング : 1159


Amazonで詳しく見る
by G-Tools





『影響力の武器』でもそうですが、海外の本では、社会実験の結果がたくさん載っています。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか


今回の本も、いろんな環境で学生にテストさせた実験結果などが紹介されていて、効率よい学び方がわかります。
それはテスト勉強だけではなく、あらゆるスキルの習得に役立ちます。


複数の場所で勉強したほうがいい



勉強というと、1か所で、ずっと勉強している方がよさそうに感じます。
なんか集中し続けているって感じじゃないですか。
頑張ってる背中に見えるじゃないですか。

でも、「記憶の使い方」で言うと、そうではないらしい。

実験結果では、2か所で勉強した人の方が、40%も思い出す数が多かったそうです。

a0150_000147.jpg



あることを覚えて、それを試験の際に思い出す。

この「思い出す」という行為には、手がかりが多い方が良いそうなのです。

静かな環境と、音楽を聞きながらの環境で覚えた場合、音楽を聞きながらの環境で覚えた人の方が、思い出す数が多かったそう。

記憶する際に、音楽という手がかりがあるので、思い出す際に、その音楽をきっかけにすることができるからなのです。
複数の環境で勉強していると、背景、温度、明るさなど手がかりが増えるので、思い出しやすくなるのではないかということです。


私は司法試験の勉強は、家(たまに)、近くの図書館、その勉強ルーム×2,大学の図書館、大学の学部図書館、研究室を転々としていました。
1か所で勉強していると飽きる、というのが理由でしたが、これだけ転々としながら勉強していた受験生は少なかったはず。
思い出そうとする際に、手がかりがいっぱいあったことになります。


再現しやすさを考えた方がいい



記憶を「思い出す手がかり」という視点では、その記憶を使う環境(たとえばテスト)で、思い出しやすい方法で記憶した方がラクできます。

本の中では、水中での記憶実験が紹介されています。
ダイバーに水深6メートルで単語を覚えさせ、1時間後に陸地と水中とでどちらが思い出しやすいかテストしたというものです。
その結果は、水中テストの方が、陸地でのテストよりも30パーセント多く思い出せたというものでした。

a0800_000205.jpg



水中で覚えた記憶は、水中の方が思い出しやすいということです。

潜るためには、色々と装備しなきゃいけないし、テストなら陸地で受けた方がラクだから、頭が冴えそうなものですが、結果は違った。

この実験をした心理学者は「勉強していたときの環境が復元されたほうが、より多くを思いだすことができる
と結論づけました。


私も受験生時代、同じように考えていました。
当時の司法試験のうち論文試験では、受験用の六法を貸し出されます。
論文試験では、法律を覚える必要はなく、六法で調べることができます。
そして、この司法試験受験用の六法は、毎年、売られているのです。

ということは、普段から、その六法を使って勉強していれば、試験会場でも同じ六法を使えることになります。

そう気づいた私は、迷わず、この六法を入手し、論文試験で必要な知識は、すべてその六法を開いて、条文の単語ごとに記憶をするようにしました。
「この条文のここを見たら、これを書く!」
と意識して記憶したのです。

IMG_6741.jpg



いろんな六法が売られていますが、法律の条文自体は、もちろんどの六法でも同じです。
ただ、ある条文が書かれている場所が、右上なのか左下なのか、文字の大きさ、1行あたりの文字数などは変わってきます。
それが試験当日と同じ方が思い出しやすい。

周りの受験生を見ると、判例がついている六法の方がいい、とか、最初に買ったコンパクトな六法の方が使いやすい、高いからもったいないなどと言っている人もいました。私は、自分の仮説を何人かに話しましたが、みなさん、行動には移しませんでした。
もったいない。


勉強時間を分散した方がいい



司法試験受験時代、友人と勉強の計画について話すことがありました。

5月の試験に向けて、彼は言いました。当時は12月でした。
「12月から2月に民法、3月に刑法、4月に憲法を勉強する」

私「えー、12月に勉強したことなんて、4月になったら忘れてない?」

友「でもさ、民法って量が多いから、それくらいかけないと終わらないし」

ちなみに、私は、
月 民法
火 刑法、憲法
水 民法、刑法
木 民法、憲法
金 民法、刑法、憲法
みたいなスケジュールだったので、友人とのギャップに驚きました。

a0006_002881.jpg



もちろん勉強のステージによっても違うのですが、今回の本では、長期記憶については、勉強時間を分散した方がいいと結論づけています。


「一気に集中して勉強するのと、勉強時間を「分散」するのとでは、覚える量は同じでも、脳にとどまる時間がずっと長くなるのだ。」(97頁)



ただ、どれくらい分散するのが良いのかは、試験までの期間によって違うとされていますので、気になる人は本書で確認してみてください。


このように時間を分けた方がいいのは、おそらく睡眠を挟むことが関係しています。
本の中では、睡眠と脳の関係についても触れられています。
1時間の昼寝をするとテストの成績が30%上がるという実験結果も。
私は、受験生時代は、1日に3回くらいは仮眠していました。
なんか頭がスッキリするじゃないですか。

ちなみに、この本の中で、一番、目新しいと感じたのは、睡眠の段階とその効果についてでした。
睡眠には何段階かがあって、記憶力を高めたいときと、運動能力を高めたいときと、数学などのパターン認識力を高めたいときで、どの段階の睡眠を充実させれば良いかが変わるそうなのです。
ここは、睡眠時間のパターンをあまり変えない私としては、実感がなかったので、今後の人生で検証してみたいところです。



いきなりテストした方がいい



司法試験の勉強を本格的にし始めた際、最初にチェックしたのは過去問でした。
高校受験の勉強をした際、過去問をやってみて、「えー、これ、過去問と関係ないところやってもムダじゃん」と感じたので、それ以降の試験では、過去問を早い段階でチェックするようにしています。

周りの受験生に聞くと、「過去問はまだ怖い」「まだ取っておきたい」なんて意見が多かったですが、ゴールも見ないで走り始めるなんて私にはできません。
私の勉強は、過去問をチェックしたうえで、どんな力を付ければよいか考え、定期的に問題を解く実戦形式でした。


a0055_000864.jpg



これが効率がいいと考えていたのですが、今回の本でも、そのような実験結果が紹介されていて


「講義で扱う内容を事前テストとして学生に出題すると、講義を終えた後に実施するテストでは、事前テストと同じ内容の問題の正答率が高くなると言えます」(153ページ)


と書かれています。


勉強前に、いきなりテストしちゃうんですね。

単純に情報をインプットするより、テストを受けることで、考えながらインプットする、その質が良くなるのです。


まとめ


・勉強場所を変えてみる
・思い出しやすい形で勉強する
・勉強時間を分散してみる
・いきなりテストする


脳の仕組みを知り、思い出しやすく学ぶのが良い。
これは、試験勉強だけじゃなく、社会人になってからのスキルでも同じです。
効率よく学びたい人は、チェックしてみてください。

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!
脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!ベネディクト・キャリー 花塚 恵

ダイヤモンド社 2015-12-11
売り上げランキング : 1159


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

弁護士石井琢磨twitter


2016/02/08(Mon) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
TSUTAYA図書館・海老名と読書
弁護士石井琢磨です。

海老名のTSUTAYA図書館に好意的な記事をサクッと書いたら、いつもよりアクセスされていて驚きました。

※「TSUTAYA図書館・海老名の効果」
http://sagamigawa.blog73.fc2.com/blog-entry-772.html

なかには、事務所のサイトまでアクセスしてくれたり、プロフィールを読み込んで批判してくれる方もいたようです。
興味持ってくれてありがとう、せっかくなので、本も買ってくれ。

めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法




私は、みなさんほどTSUTAYA図書館に愛はないです。
海老名市に税金も納めていませんし、
TSUTAYAが利益を上げようが、ビッグデータを得ようが、どうでもいいです。

プラスだと思ったのは、「人」と「本」の接点が増える点です。

出版業界の売上は下がってます。
リアル書店の数も減っています。

「本」というコンテンツが減っていく傾向にあります。


これをもったいないと感じます。

なぜなら、「本」というコンテンツは、費用対効果、時間帯効果ともそこそこに高いから。

それなのに減っているのは、ネットとスマホの影響でしょう。
ネットにコンテンツはバラバラと溢れて、スマホでいつでもそこにアクセスできる。
あえて「本」に行かないですよね。


「本を読まない人」が「本を手にとる」までのハードルが今まで以上に高くなっているんですよ。

で、「本を読まない人」が、いきなり本屋に行って本を買いまくるか、というとですね、買わないんです。

これ、私の実体験です。
私は、20代後半まで本なんてほとんど読んでいませんでした。
専門書を別にすれば、数えるほどです。
30代で、年に数百冊読むようになりました。

あるブログを読んでいて、「ビジネス書を読んでみよう」と思い立ったのです。

ところが、「本屋で本を買う」という発想にならなかったのです。
本屋でマンガは買っていたけど、ビジネス書を買うという発想がなかった。

じゃあ、どこで本を手に取ったかというと、そう、最初は図書館だったんです。

私は受験時代に予備校に行っていなかったので、主な勉強場所が図書館でした。

「あそこで借りれば、タダでいいな」と思って、数冊ずつ借りたのが始まりでした。

でも、図書館って、欲しい本をすぐに読めるわけじゃないですね。
待たないといけない。
だんだんこれに耐えられなくなって、買うようになったのです。
どっかの本に「本は買った方がためになる」と書かれていたのも影響してます。

そして、最近では、年間100万円以上、書籍代で使ってます。


実体験から、「本を読まない人」が「本を買う」に移行する際の一つのクッションとして図書館は有効だと思うのです。


藤原和博さんの『本を読む人だけが手にするもの』という本を読みました。

本を読む人だけが手にするもの
本を読む人だけが手にするもの藤原 和博

日本実業出版社 2015-09-30
売り上げランキング : 184


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




偶然、武雄市のTSUTAYA図書館の話も少しだけ出ていました。

藤原さんも、高校生まで本を読んでいなかったそうなのです。
大学入試の国語で苦労した話もされています。
ところが、その後、本のまとめ買いもするようになり、年に100冊以上も読み、雑誌に書評も載ったりしています。

あるきっかけがあって、本を読もうという気になったそうなのですが、その際の行動が書かれています。


「図書館に行って、限度いっぱいに借りられるだけ借りてくる。それを机の上に積んでおいて、片っ端から読んでいく。」(111ページ)



やっぱり図書館なんですよ。



図書館で本を読む人の一定数は、数百冊単位で本を買う人に移行する。
そうだとすると、「本を読まない人」を「図書館で本を読む人」に移行させれば、いずれそこから数百冊単位で本を買う人が出てくるはずなのです。

図書館に行くハードルを下げることで、「人」と「本」の接点が増えれば、いずれ本というコンテンツにお金を払ってくれる人が増えると思うのです。そうすると、本も質を維持できる。

私が「本を読もう」と思い立ったとき、最初に図書館を選んだのは、受験勉強をしていた場所、ということもあるのですが、小学校の夏休みにけっこう行っていたことも理由にあります。
なぜ、行ったのかというと、涼しいから
我が家にはエアコンがなかったのですが、図書館にはある。

この話を裕福な同級生にしたら「マジメだな-」と言われました。
私が読んでいたのは手塚治虫などのマンガばっかりだったのですが、エアコンが家にある同級生には
「図書館=マジメ→自分と無関係」という式があったのです。

図書館に行くハードルが高いわけです。


家族が読書家で家に大量の本がある。
親が「人生に役立つ100冊の本」をプレゼントしてくれる。
家が本屋だ。
なんて環境でもないと、自然に本に触れる機会は少ないです。

そんなときに、図書館のハードルが低ければ、いずれ本を買う人が増える(or減るスピードが落ちる)のではないでしょうか。


『答えはすべて本に書いてある』
答えはすべて本に書いてある


というように、たいていの人の悩みの解決方法は、どこかの本に書かれていると思います。

私も、本を読んでなかったら、たぶん潰れてましたね。

本というコンテンツは人類を救う力を持っていると思うんですよ。

人の悩みと、その解決方法がバラバラに散らばっていて、うまく出会えない。
これ、もったいないじゃないですか。

というのが、TSUTAYA図書館が出版業界にプラスなんじゃないか、という理由です。

ですので、別にTSUTAYA図書館じゃなくても、
GoogleとYahoo!とFacebookとLINEとAmazonと銀行、カード会社が組んで、マイナンバーを含む全データを共有して、
「あなたの悩みには、この1冊」なんてオススメしてくれるサービスが始まれば、それでも良いと思うのです。



ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

弁護士石井琢磨twitter


2015/10/26(Mon) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「茶色のチョコレートを取り除きなさい」という契約、スゴすぎ

あなたが、ある有名バンドを招く立場だったとしましょう。

会社を代表して、バンドと交渉をし、ライブを開催できることになりました。

ロックバンド



そこで、バンド側は契約書を示してきます。

「このルールは守って欲しい」という条項がたくさん並んでいます。

あなたが契約書の条項をチェックしていくと、施設の点検義務などが細かく書かれています。

まあ、当然ですね。


しかし、思わず目を止めてしまう条項がありました。

「おやつはm&m'sのチョコレートを出すこと」

ああ、そんなにチョコ好きなのか。
まあ、有名なバンドだし、どこかで買ってくればいいですね。

その条項には続きがありました。

「m&m'sから茶色いチョコレートは取り除くこと」





・・・

は!?

あのカラフルなチョコレートから、茶色のチョコだけを取り除けと?

一体、何のために・・・?

あなたの創造力が働きます。

きっとm&m'sって、色ごとに味が違って、赤色はイチゴ味、緑はメロン味、茶色はチョコ味で、このバンドはチョコ味が嫌い・・・っていうか、全部、チョコじゃねーか!

と一人ボケツッコミをしながら、契約書を床にたたきつけることでしょう。

このバンド、めんどくさっ!


いやいや、きっとギャグだな。冗談に違いない。

そう思って、このバンドを過去に招致した知り合いに問い合わせをしてみます。

「ああ、あのチョコね、うちは茶色を取り除かないで出したらさ、更衣室をボコボコに壊されたよ。マジメにやった方がいいよ」


茶色のチョコを取り除かないと、更衣室を破壊されても文句を言えない?
本当?顧問弁護士に聞いてみよう。

-------------------------

弁護士石井琢磨です。

この契約の話は、『0ベース思考』という本の7章に紹介されていた話です。

0ベース思考



ヴァン・ヘイレンというロックバンドが、1980年代にツアーに関して結んでいた契約書。

このバンドは、ツアー中に羽目を外すことで有名でした。
破天荒な彼らは、バンドのツアーに関する契約書に、技術や安全面の細かい指示だけではなく、食べものや飲みものに関しても細かく指示していたそう。
付帯条項が53ページもあったと言います。

アメリカだから契約書が細かいのかと思いきや、他のバンドの付帯条項はペラペラでした。

実際に茶色のチョコレートを取り除かないと、彼らは更衣室を荒らして帰ったようです。
「なんちゅうワガママな!」と批判されることもあったそうです。

なぜ、このバンドは、チョコレートの色まで契約書に盛り込んだのでしょうか。


バンドのメンバーが後日、語ってくれました。

ロックバンドイメージ

※注:写真はイメージです。ロックバンドの・・・


超訳すると、こんな感じ。

「あれはテストさ」

「テストって、どういう意味ですか?」

「ほら、俺らのライブは、激しいだろ?だから、ステージの強度、耐えられる電圧とか安全面を守ってもらわないと困るわけ」

「そうですよね」

「だから、契約書もちゃんと読んでもらわないと困るだろう?」

「そりゃー、そうですよね」

「現場に行ってからさ、俺らが照明とか舞台とか細かくチェックするの大変だろ?」

「ライブ前はお忙しいでしょうしね」

「だから、おやつのチョコを見るんだよ」




「え?どういうことですか?」

「おやつのチョコを見て、茶色のチョコが入ってたら、こいつら契約書を読んでねえな!ってなる。俺らが一つ一つチェックしなきゃいけなくなる。
茶色がなかったら、契約書をちゃんと読んでるなって分かるわけ」


そう、このチョコ条項は、契約書を読んでいるかどうかのテストだったのです。
契約書も読まず、安全面に配慮していない業者をあぶり出すためのテスト。

だから、テストに落ちた(茶色のチョコを取り除かなかった)場合、きちんと更衣室を荒らし、「あいつらの契約書を読まないとヤバイ」と思わせておく必要があったのです。

『0ベース思考』の7章では、このように、ずるをする人、ウソをつく人などをあぶり出すための事例が紹介されています。


たとえば、毎年、大量の社員を採用する会社には、やる気のない新入社員も含まれてしまいます。
これを避けるために、就職面接の手続をあえて複雑にし、乗り越えてきた人だけを採用対象にする。
これにより、やる気のない人は自動的に去っていきます。ラクだ。


さらに、ナイジェリア詐欺の話も。
詐欺の本などでは有名なのですが、
「ナイジェリアに隠し財産があります。あなたにあげます。口座を教えてください」というメールが今もなくならない。

この手の話は世界中に広まっていて、「ナイジェリア」と聞くだけで、「ああ、あれか」とピンと来る人が多数。

それなのに、なぜか詐欺師は「ナイジェリア」という言葉を使い続けているのです。

ナイジェリアっぽい



そう、これもテストなのです。

詐欺師はこのようなメールを大量に送りつけ、騙せそうな見込み客をあぶり出します。その際に、中途半端な人はいらないのです。騙せる確率が高い人だけをあぶり出したい。

「Amazonのギフト券1000円分プレゼント」という詐欺メールだったら
「怪しいけど・・・ひょっとしてもらえるかも・・・?」
中途半端に疑う人がいっぱい連絡してきます。

やりとりをした後に
「やっぱり怪しい話だ」と言われるのは、時間のムダです。コストです。
これをカットしたい。
中途半端に疑う人はいらない。

「え?ナイジェリアに宝が?初めて聞いたぜ、すげー」

と反応してくれる人だけ欲しいのです。

このような人を選び出すために、あえて使い古された「ナイジェリア」という言葉を使い続けるそうです。



3つの事例とも、褒められるかどうかは別にして、設定者がラクをするためのテストです。


なんなの、このルール?
と感じたときには、そのルールで誰かがラクをしていないか?
そう考えてみると、思わぬ発見があるかもしれません。


「ルールというのは、誰かがラクをするために作られたものなのだ。」
めんどうな人を サラリとかわし テキトーにつき合う 55の方法

『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』より


さらには、自分がラクをするために、このようなテストを思いつけるかもしれません。

ラクをするためには、やはり頭を使う必要があります。

『0ベース思考』ぜひチェックしてみてください。

0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる
0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できるスティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 櫻井祐子

ダイヤモンド社 2015-02-14
売り上げランキング : 107


Amazonで詳しく見る
by G-Tools




ロックバンドのみなさま、もし同じような契約書を作りたいときには、日本バージョンとして「おやつはコアラのマーチ(ただし、眉毛つきに限る)」という条項を盛り込んだ契約書を作りますので、お任せください!



2015/03/07(Sat) | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
 ホームに戻る  次のページ